「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第590回
海の狼のムニエル 
 =男の手抜き料理シリーズ第5回=

いきなり狼が出てきてさぞや驚かれたことでしょう。
しかもその狼をムニエルにしようってんですから
花菱アチャコじゃないですが
「ムチャクチャでござりますがな」――ですね。

さて、ここで問題です。
海の狼というのはいったい何のことでしょう?

 ヒント1
  フランス語でルー・ド・メールと呼ばれるサカナです。
 ヒント2
  海(メール)のルー(狼)というくらいですから、
  きわめて貪欲な食欲の持ち主です。
 ヒント3
  常磐沖や東京湾からも豊富に水揚げされています。
 ヒント4
  おいしい季節、いわゆる旬は夏で
  洗いにすると、とても美味です。
 ヒント5
  P・ボキューズによるこのサカナのパイ包み焼きは
  彼の代表的なスペシャリテとなりました。

お判りいただけましたでしょうか?
そうです、このサカナはスズキです。
アメリカ・イギリスではシーバス、
イタリアではスピゴラと呼ばれ、
特にスズキの仲間のブランツィーノは
超高級魚として重用されています。

このスズキをムニエルにしてみた。
もともと白身魚のムニエルはJ.C.の大好物。
イワシやサンマなどの青背は塩焼きが一番だが
白身はムニエルが何よりだ。
スズキ以外にも、ヒラメ・カレイ・マダイ・
アマダイ・ホウボウ・マナガツオ・タチウオなど、
代用魚はいくらでもあって、いずれも美味。
それでは、アラ・キュイジーヌ!

(1)鮮魚店・スーパー・デパ地下あたりで
   スズキの切り身を買い求める。
   デパートは高く、殊に丸赤では1切れ1800円ほど。
   上野松坂屋で買ったらスズキより若いフッコだった。
   おかげで480円だったけれど。

(2)スズキには調理の5分ほど前に塩をしておく。
   水気を拭って小麦粉をはたいたスズキを
   オイルを落としたフライパンに入れ、中火で焼く。
   このとき新しいサラダ油は避けたい。
   独特のイヤな匂いが立つからだ。
   天ぷらやフライを揚げたあとの残り油がよい。

(3)キツネ色の焦げ目が付いたら、返して裏面は軽く焼く。
   引き揚げる前にバターをスズキの上に落とす。
   バターが溶けたらブランデーを少量振り込んで
   フランベ(火を点ける)する。
   なければ、ウイスキーでもないよりはずっとマシ。
   スズキに白胡椒を挽き、あればパセリのみじん切りを。
   温めた皿に移し、櫛切りのレモンを添える。
   好みで市販のマヨネーズを添えてもよい。

(4)付け合せには緑の野菜がほしいところ。
   インゲンがベストで、スズキを焼いたあとの
   フライパンでサッと炒めてもよいし、
   スズキを焼く間、バターを落とした小鍋に
   放り込み、弱火にかけておくだけでもOK。
   簡単で失敗がなく、なおかつおいしい。
   絹さやもいいが、火の通しがむずかしいので
   スズキを焼きながら、というわけにはいかない。

それではさあ、召し上がれ。

 
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2008年10月6日(月)

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