「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第597回
モーニングに肩を落とす

浅草の観音裏にハンバーグやかつ丼の
おいしい店があると聞いた。
それもレストランではなく、喫茶店である。
「ロッジ赤石」という名の店の前は
何度も通っていたが
めったなことでは喫茶店に入らないので
今まで利用したことがなかった。

3連休の中日の日曜日。
2週間に1度の掃除のオバさんがやって来る日に
好むと好まざるとに関わらず、
自宅を離れて独り、テクテクと歩いて行った。
所要時間は20分ほどである。

店内はそこそこに立て込んでおり、
近所のオバ様が示し合わせて集合し、
和気あいあいとモーニングサービスを楽しんでいる。
TVはメジャーリーグのリーグ優勝決定戦、
レイズVSレッドソックスの第2戦を映していた。

ハンバーグかポークソテーを食べたかったのだが
朝の10時過ぎに誰もそんなものを食べておらず、
孤軍奮闘している接客のオバさんに
「モーニングでいいですね?」と問われて
つい、「いいです」と答えてしまった。

オムレツとよく焼きトーストと
アイスティーを注文すると、
紅茶は別料金だと言うので
再びつい、「別でもいいです」と口を滑らせる。
モーニングは小さなカップのホットコーヒーと
セットになっているようなのだ。

カウンター内のおニイさんも孤軍奮闘。
ハムエッグとトーストのセットが一番人気で
10人前くらいのオーダーが
いちどきに入っているのにテキパキとさばいていた。
あまり待たずに現れたオムレツにはケチャップが。
一口食べると、トロリとした状態がよくとも
惜しいかな、化学調味料が席巻している。
添えられたキャベツにかかったドレッシングも
市販品特有の化調が主張する味。
おまけにトーストに塗られているのはバターではない。

がっかりして早々にお願いした勘定は1100円。
何だかずいぶんと、無駄遣いをした気分になった。
モーニングの値段は定かでないが
おそらく600円か700円くらいだと思われる。
サービスを受けるつもりが
逆にサービス料を奮発しちゃったわけだ。
まっ、いいか。

帰り道、駒形橋から厩橋まで隅田川テラスを歩く。
この区間は整備が中途半端で
青色のテントが散在していたり、
ゴミの山ができていたりする。

キンモクセイが目を和ませてはくれたが
秋たけなわだというのに、
早くもだいだい色の花弁が散り落ちている。
標識によれば、中国原産のこの潅木は
日本には雄株だけしか入っていないため、
結実しないとあった。
雄株だって雌株が恋しかろうに・・・。

それにしてもこの花の悲劇は
トイレの芳香剤として香りを盗用されたことだろう。
花の香りを真似られて、苦しきことのみ多かりき。


【本日の店舗紹介】
「ロッジ赤石」
 東京都台東区浅草3-8-4
 03-3875-1688

 
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2008年10月15日(水)

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