「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第625回
さまよえる中国人(その2)
=れすとらん しったかぶり=
あの頃のニューヨークシリーズ(4)

金曜日の続きである。
日本が250年もの長きに渡って鎖国をしてる間に、
中国人はこの惑星のありとあらゆる土地に
進出していった。

もう20〜30年以上も前のことだが
コペンハーゲンでもイスタンブールでも
ブエノスアイレスでも、中華料理店はすぐに見つかった。
長く逗留する街では、現地の食事に飽きた場合に備え、
和食や中華の店を必ず探しておくのだが、
ニューヨーク・パリ・ロンドンならいざしらず、
中進国の街ではハナから和食をあきらめ、
ターゲットを中華料理店にしぼる。

1973年、ウガンダの独裁者・アミン将軍が
鎖国を解いて間もないウガンダの首都・カンパラでも
1軒だけだったが中華料理店が立派に営業していて驚いた。
ということで、「さまよえる中国人」(1994年)いきます。

中国人華僑を東洋のユダヤ人と呼ぶ人がいる。
客家のことを華僑の中のユダヤ人という人も。
客家人に限らず、華僑となった中国人は世界中をさまよい、
安住の地を見つけては、そこに定住してきた。
これは過ぎ去った昔の話ではない、現在でもそうなのだ。
彼らのおかげで中華料理もまた、世界中に浸透してゆく。
その土地の食材を取り入れ、その国の人々の嗜好と
上手に折り合いをつけながら・・・。
現在、国際料理と呼べるのは唯一、中華料理だけだ。

ハンバーガーとフライドチキンに汚染された地球で
真っ先にその犠牲になるのは子どもたち。
彼らは飢餓だけでなく、飽食の犠牲にもなってしまう。
今、人類を救うのは中華料理しかない。

「読売グルメ倶楽部」が発足して、その第一回が
「Golden Unicorn」に決定した。
それにしても読売アメリカの謳い文句の
“中国四千年の味の巻”にはビックリ。
あらためて新聞社のキャンペーンのダイナミズムを
思い知ったが企画に参加した以上は
面白い話をお聞かせしたい。
読者のみなさん、気軽に参加してください。

さて、チャイナタウンのこの店、
昼の飲茶は地元の人でいっぱい。
点心類はどれもいいが、ニラ入り餃子が気に入りだ。
炒めものや揚げものは
控えめにしたほうが食後感がいい。

夜の新中国料理では少々奮発して
それなりに値の張るアワビ・フカヒレ・
ツバメの巣などを試し、本物の味を覚えてしまおう。
クレイポット(柄付き土鍋)を使った料理が得意で
中でも、干し貝柱と長ねぎと生姜で仕上げる炒麺が抜群。

昼めしどきに訪れると、
1階のエレベーター前に陣取る女性マネージャーが
各フロアとトランシーバーで連絡を取り合い、
押し寄せる客をさばいていく。
これは見ていて圧巻だ。


【本日の店舗紹介】
「Golden Unicorn(金麒麟)」
 18 East Broadway
 212-941-0911

 
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2008年11月24日(月)

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