「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第631回
珍妙な屋号の「すし468」(その2)
=第1回「下町を食べる会」=

第1回「下町を食べる会」を
西浅草の「すし468」で開催している。
カウンター7席(無理すれば8席)に
小上がりが2席の小体な店につき、
四夜に分散して催したのである。

昨日の続きであった。
最初に、中学二年の修学旅行だと思ったのは
中学三年の春の記憶違いであった。
京都での自由行動日にごくごく普通の
街の鮨屋に入店したのだった。
一人前のにぎりを注文すると、
割り箸と溜まり醤油が出たのだが、
溜まり醤油を初めて見たJ.C.は
てっきり鮨屋の女将さんが、
とんかつソースと間違えたのだと思った。
味見してみてソースではないことが判明したが
それでもヘンテコな味だと思ったのである。

さてさて「すし468」に話を戻そう。
お造りは日によって魚種の違いがあったが
まぐろは常に登場して、なかなかに良質。
おろし立ての本わさびもうれしい限りであった。

小鍋仕立ての鍋は初日だけが
鯨のベーコンを使ったハリハリ鍋。
水菜の食感がパリパリならぬ、
ハリハリなのでこの名前がついた。
これもよかったが、やはり二夜からのはも鍋が好評。
キッチリ骨切りされたはもに加えて、松茸の存在が大きい。
日本人は松茸に弱いですからね。

かますとめひかりの焼き物は
「ああ、この人は関西で修業した人だなァ」と
食べ手に実感させる繊細で上品な焼き上がり。
添えられた揚げ銀杏の若草色が目に舌に涼やかであった。

締めは上方寿司と芋吸いである。
芋吸いとは京料理らしからぬ無粋なネーミングだが
これはいわゆるすり流しのこと。
この店は馬鈴薯(単なるじゃが芋ですが)を使うが
本場ではかぶらを使うことが多かろう。
秋から冬に掛けては身も心も温まる一椀である。

上方寿司は皿に盛合わされてきた。
こちらは四夜とも統一されて
さより・海老玉子・穴子2カン・さばの内容。
当夜は写真を撮るひまがなく、
別の日に撮ったものを紹介したい。
さよりがきすに替わるほかは、すべて同じである。

海老&玉子の市松ときすの箱寿司
photo by J.C.Okazawa

穴子とさばの棒寿司
photo by J.C.Okazawa

さばに飛びつく葉蘭のかえる
photo by J.C.Okazawa

東京の上方寿司の御三家は
神田「志乃多寿司」・白山「梅光」に
この「すし468」である。
ぜひぜひ、一訪あられたし。


【本日の店舗紹介】
「すし468(ヨーロッパ)」
 東京都台東区西浅草3-23-14
 03-3843-6964

 
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2008年12月2日(火)

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