「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第645回
悩殺の蟹カレー(その1)

有楽町の「チェンマイ」が一年前に閉業して
都内のタイ料理店の老舗としては
筆頭となった六本木の「バンコク」。
以前から料理・接客・雰囲気のすべてにおいて
「チェンマイ」よりも
「バンコク」のほうが数段上だった。
もしも「チェンマイ」が六本木にあったら
とっくの昔に閉店の憂き目を見ていたかもしれない。
それほどに両者の実力には差があった。

有楽町や銀座はエスニック料理、不毛の地。
タイに限らず、ベトナムもスペインも
「えっ、こんな店が」と驚くほどに
低レベルの料理を供するところが
平気で生き残っていたりする。
とはいえ、インド料理の水準は高く、
都内唯一のルーマニア料理店、
「ダリエ」にも合格点がつけられる。

観光客が闊歩する昼はともかく、
夜になるとめっきり外国人の減る銀座に比べ、
夜の外人人口が銀座の10倍以上になる六本木は
生半可なエスニック料理店では
すぐに淘汰されてしまう。
ことエスニックにおいては
ニセ物の多い銀座と本物に近い六本木は
実に好対照なのである。
もともと銀座は、鮨・天ぷら・洋食・
おでんあたりを食べるのによい街なのだ。

久々に「バンコク」を訪れた。
総勢7名は、全員同い歳の集りだった。
当夜のメンバーはこのコラムにもたびたび登場する
上板橋一中出身のIアさんと
板橋高校出身のK石くん。
この両名のほかに上一中のK野さん、
板高のN田くん、中高ともに一緒だったN中くん、
豊島高校出身のM田さんといった顔ぶれ。
M田さんとは同じ学校に通っていないが
Iアさんが豊島高校の出身なのでそのつながり。
友だちの友だちは友だちだ、それを地でゆく。

実は中学同期のK野さんと
この「バンコク」は親戚同士の間柄。
「バンコク」の息子さんのお嫁さんが
K野さんのお嬢さんというわけなのです。
とはいってもJ.C.はレストラン評価に
血縁・地縁による手心は加えないので
正当にジャッジして参りました。

タイのビールのシンハで乾杯してスタート。
最初の一品はシーフードサラダ。

シンハの小瓶とシーフードサラダ
photo by J.C.Okazawa

香菜とオニオンがたっぷり入ってパンチ力がある。
すぐ追いかけてきた空芯菜炒めも
火の通しがちょうどよく、シャキッシャキ。
生海老の香味野菜添えは尻尾の色が冴えなかったが
これは熱を通していないせいで
鮮度が落ちていたら生では食べられない。
そして人気メニュー、カイヤーンの登場だ。

タイ風グリルチキンのカイヤーン
photo by J.C.Okazawa

        =つづく=

 
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2008年12月22日(月)

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