第646回
悩殺の蟹カレー(その2)
中学の同期生、女子バレーボール部の
エースアタッカーK野さんの親戚の
六本木「バンクク」での宴は
タイ風グリルチキンのカイヤーンが登場したところ。
ビールのシンハを飲み干したので
今度はやはりタイ産ビールのチャーンをお願い。
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象印のチャーン
photo by J.C.Okazawa
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シンハはライオンだったが、チャーンは象だ。
カイヤーンは香ばしくもしっとりジューシーで花マル。
かきのタイ風お好み焼きに舌鼓を打ちながら
定番の春巻を遅ればせながら追加した。
どうせならと生春巻と揚げ春巻を両方頼んだ。
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揚げ春巻
photo by J.C.Okazawa
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生は野菜がふんだんに使われてサラダ感覚。
揚げは海老が主役でクリスピー。
タイビールにはうってつけの合いの手となる。
アルコールが苦手の向きが二人いるため、
そろそろ炭水化物の供給が必要不可欠。
ここで豚肉と玉子の焼き米粉、
豚肉と小松菜の焼き河粉、
鳥肉と玉子とオニオンの炒飯、以上三連発。
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豚肉と小松菜の河粉
photo by J.C.Okazawa
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河粉というのはシンガポールやマレーシアでは
クエティヤオと呼ばれる幅広の米粉のこと。
ご覧のようにきしめんやひもかわよりずっと幅が広く、
リボンパスタのパッパルデッレ並みだ。
この歯ざわりとかみ応えが何とも言えぬ快感。
下戸が麺類・飯類に没頭するのを尻目に
呑ん兵衛はワインにするか、
ウイスキーにしようか、迷っていた。
タイ料理は白ワインなら問題ないが
赤ワインとの相性はあまりよくない。
それならいっそのことタイ産ウイスキーにしちゃえ、
ということで、メコンをボトルでオーダーする。
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タイの国民的ウイスキーのメコン
photo by J.C.Okazawa
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このメコン、サントリーのトリスほどではないが
けっしておいしいウイスキーではないことは
数十年前のバンコクの屋台で立証済みだ。
それでも3杯ほどは飲んだ。
いよいよ最後の締めはタイカレーである。
チキンのグリーンカレーとポークのレッドカレーに
ライスはタイ米のジャスミンライスと
もち米もお願いしてみた。
タイも北部になると、もち米が好んで食べられる。
そのまた奥のラオスに行くと、
もはや主食はもち米にとって替わられるのだ。
ここでマダムが登場して、K野さんに
「あら、今夜は蟹のカレーを食べないの?」
とささやいた。
どうやらK野さんの好物らしい。
J.C.も蟹のカレーは大好きなのだが
これを食べるとみんな無口になるし、
指先がベトベトになるので、あえて避けておいた次第。
そんなこと気にしないの、と言わんばかりのマダムが
10分後には蟹カレーの大皿を運んできたではないか。
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渡り蟹のカレー
photo by J.C.Okazawa
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一同、不満をもらすものがあるはずもなく、
うまみたっぷりの渡り蟹に悩殺されつつ、
ありがたく頂戴いたしましたとサ。
【本日の店舗紹介】
「バンコク」
東京都港区六本木3-8-8 WOOビル2F
03-3408-8722
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