「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第654回
シェフが去って 奥さんが来た

前回は、ご主人が亡くなられて
代わりに奥さんがとんかつを揚げる
「松むら」のお話だったが
今回はシェフが辞められて
接客係だったオーナーが代わりにキッチンに入り、
接客の穴埋めにオーナーの奥さんが
登場したイタリアンのお話。

ところは銀座の並木通りから
京橋方面に首都高速の高架下をくぐって
すぐ右側の小さなビルの地下。
これ以上の隠れ家はないくらいに隠れ家チックな
「オステリア・オルティージャ」である。
麻生さんもホテルのバーをやめて
こういうところで飲んでいればよかったのに・・・。
ここなら完璧にブン屋さんをマケるはずだ。

この日は銀座通りの十字屋で生ビールを飲みながら
「ジャズの夕べ」を楽しんだあとで繰り出した。
メンバーは、イニシャルJ・K・I・Hの4名。
どこから見ても、2組のくたびれたカップルだ。
これではアヴァンチュールもへったくれもない。
夕食の時間がずれ込み、一様に腹を空かせている。

ビールはたっぷり飲んでいるから
さっそくの赤ワインはランゲ・ネッビオーロ‘06年。
値付けは5800円だが、どうもこのワイン、
ネッビオーロ種特有の香りが立ってこない。
モンテプルチアーノ・リゼルヴァ‘01年には満足。
でも、お値段は倍近い11000円。
この夜は2本で終わらず、3本目は
キャンティ・クラシコ‘04年で7000円。

料理は正直言って注文し過ぎた。
アンティパストは軽やかに始まったが
赤ワイン三連発に太刀打ちするには
それなりの肉料理が必要不可欠なれど、
ワインが3本だからといって
肉料理も3皿頼むことはなかった。
それも各皿1.5人前のつもりが
勘定書きから計算すると、すべて2人前だったようだ。
ということは肉だけで6人前。
これはJ.C.のチョンボであった。
食べ切れなくて、Hさんにお持ち帰り願ったほど。

この日は名代の猪肉が不在。
それもそのはずまだ夏場だもの。
くだんの3皿は
蝦夷鹿のサルシッチャ(ソーセージ)、
鹿児島産黒豚肩ロースのグリル、
ブルターニュ産鴨胸肉のグリル。

あとはポルチーニのタリアテッレ。
いわゆるきしめんである。
これは白トリュフ風味のクリームソース。
ソースの味も香りもよかったが
肝心のタリアテッレがアルデンテのちょい手前、
もう少しゆで時間をとってほしかった。

支払いはお一人様1万3千円也。
おおよそワインが6千円で料理が7千円。
オーナーの奥さんの接客には
イタリア料理店というよりも
銀座のワインバーという感じのお色気が漂っていた。


【本日の店舗紹介】
「オステリア・オルティージャ」
 東京都中央区京橋3-4-1 TM銀座ビルB1
 03-3526-6842

 
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2009年1月5日(月)

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