「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第662
サッカーは手を使うゲームである

今回は「食べる歓び」を逸脱。
第87回全国高校サッカー選手権は
広島皆実の初優勝で幕を閉じた。
堅守を最大の武器に総合力にまさる皆実は
これで去年から鹿児島城西に4連勝だ。
「攻撃は最大の防御なり」というが
サッカーにおいては
「防御は最大の攻撃なり」と言えないこともない。
いくら点を取っても、そのぶん取られるチームが
大きな大会の覇者となるのは難しい。
高校野球が好例で短期のトーナメントでは
エースの連投が利く限り、投手力が大きくものを言う。

結果は皆実の優勝だったが
鹿児島城西の大迫の10得点は
おそらくもう破られることのない大記録だろう。
2トップの相棒である野村と二人揃っての
6試合連続ゴールも不滅の記録だ。
Jリーグの鹿島に進む大迫は近い将来、
日本代表を背負って立つ選手になるに違いない。
現在持っているスピードとキレ味とセンスに磨きをかけ、
あとはフィジカル面を鍛え上げて
欧州選手並みの強靭な身体を作り、
メンタル面ではゴン中山のようなガッツを
心に宿してほしい。
小野伸二や小笠原満男にゴンの魂があったなら
より素晴らしい選手になっていたに相違ない。
そして鹿島アントラーズの指導者たちには
くれぐれも適切な育成をお願いしたい。
チームに末恐ろしいダイヤモンドの原石が
存在していることを自覚して磨き上げてほしい。

ここでサブタイトルの
「サッカーは手を使うゲームである」である。
サッカーで手を使えるのはGKだけだ。
他のプレイヤーがインプレイで手を使えるのは
スローインのときだけである。
それでは表題はどういう意味? ということになろう。

くだんの大迫選手だが、彼の身体能力の高さは
足腰のバランスによるドリブルやシュート力や
ヘディングの強さばかりではない。
使ってはいけない手や腕の使い方が非常に上手いのだ。
ここで記憶に新しいクラブワールドカップを
今一度思い出していただきたい。
ロナウドもルーニーもペナルティエリアに入ると
相手選手に対して盛んに手を使っていたでしょう?

昔はショルダーチャージといって肩しか使えなかった。
最近はみなさん、ボールにこそ触れないが盛んに手を使う。
苦しいのはディフェンス側で対抗して手を使い、
レフェリーに笛を吹かれるたら、それこそ即PK。
こんなにアンフェアな話はない。
ペナルティエリア内においては
直接フリーキックに値するファウルが
攻め手と守り手とでは雲泥の差なのである。
FWには天国、DFには地獄、それがこのエリアだ。

古くはマラドーナの神の手ゴールなんて
神技(?)もあったが、審判にはもうちょっと
お手つきプレイを取り締まっていただきたい。
「手を使うべからず」――サッカーの聖域を侵しては
世界でもっとも人気を博するこのスポーツが
面白くも何ともなくなってしまう。

 
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2009年1月15日(木)

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