「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第666回
ストリップ劇場の真向かいで(その1)

読者の中に道頓堀劇場という名のストリップ劇場を
ご存知の方も少なくないだろう。
渋谷の道玄坂の中腹にあるのだが、
同名のストリップ劇場が札幌・すすきのにも存在する。
関係者のあいだでは混同を避けるために
札幌道劇、渋谷道劇と呼び分けるものらしい。

ストリップといえば、昔はずいぶん過激だった。
昔といっても、さすがに渥美清やビートたけしが
浅草のフランス座でコントを演じていた頃は知らない。
初めて入場したのは1970年代後半で
およそ30年前のことだ。
劇場は千葉県の松戸駅から徒歩5分ほど、
確か「大宝」という名前だったと記憶している。

それ以前に社内旅行で箱根に行ったとき、
同僚たちと一緒に浴衣姿で
チンケな小屋に入ったことはあった。
かなり薹(とう)の立ったダンサーが
それでも3〜4人は登場したのを覚えている。
もっとも仲間の誰しもが
胸のうちで「金返せ!」とつぶやいていたけれど・・・。

松戸の劇場「大宝」だが、初回の衝撃は強烈だった。
十代の終わりに北欧・デンマークの
コペンハーゲン中央駅の裏通りで
初めてポルノグラフィーを見たときと
同じくらいにビックラこいた。
公衆(とは言えないか)の面前で
こんなことまでしちゃっていいの? という感じ。
当時は各都道府県で取締りの厳しさが異なっており、
東京都よりも千葉県や埼玉県のほうが過激だったのだ。

さて、その道頓堀劇場。
道玄坂にあるのに道頓堀とはこれいかに?
1970年の開場当時はエゲツない関西ストリップ路線を
前面に押し出す興行スタイルに終始していたとしても
劇場名には違和感を覚えてしまう。
近所に堀割りなんぞありはしない。
種を明かすと、看板業者が道玄坂を道頓堀と
書き間違えたというのが真相らしい。
劇場側も劇場側でそのままその看板を掲げたそうだ。
名前による集客効果も道玄坂より
道頓堀のほうがありそうだ。

前おきが長くなった。
それではいざ、劇場に入ってみよう。

というのは冗談。
今回紹介するのは色を好むお父さんには
残念なことにストリップ劇場ではなく、
サブタイトルにも謳ったように
その真ん前の中華料理店(ラーメン店か)なのでした。

屋号は「喜楽」。
初回の訪れは松戸の「大宝」デビューの数年後だから
四半世紀前のことになる。
当時はかなり名を馳せたラーメン店だった。
建て直す前の二階建ては「三丁目の夕日」の雰囲気。
焦がしねぎが特徴の醤油ラーメンが個性的だった。

               =つづく=

 
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2009年1月21日(水)

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