「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第685回
期待以上の茶そば

1月中旬のことだから暖冬とはいえ、
寒い日であった。
しかも若いうちならともかく、
人生も50年を超えれば体感温度は
世間の風の冷たさと同じくらい厳しい。
でも、世の中にはいるんですな、
いくつになってもパワーと情熱を失わない連中が。
とにかく一泊旅行に出掛けようと、
オジさんオバさんが荒野の七人よろしく、
総勢7人、集結したのでした。
行く先は奥秩父の白久という名の小さな温泉町。

幹事のN中クンは非常に面倒見がよい。
旅行に関してもその手配・差配は完璧につき、
ほかのメンバーはとても楽なのである。
ところが中に一人、方向感覚に欠けたのがいた。
どうせ秩父に行くのだからと、
行きがけの駄賃に川越に寄ろうと
言い張る方向音痴がいたのでした。
ほかのメンバーは深く考えもせずに
土曜日の11時に川越駅に集合した。

自慢じゃないがJ.C.にとって川越は処女地である。
東上線沿線に長く住んでいながら
一度も行ったことがなかった。
小樽運河界隈みたいに行過ぎた観光地化が
進んだものと勝手に思って二の足を踏んでいた。
ところがいざ歩いてみたら思いのほか楽しめた。

アシとマクラはN中クンがしっかり抑えてくれたが
アゴはJ.C.の管轄ということで
2〜3日前からネットの検索を怠っていない。
白久のみやこ旅館の夕飯を18時前後と踏めば、
正午に川越名物のうなぎをかっ込んだりしては
とても腹が空くものではない。
ここは軽く日本そばあたりでお茶を濁したい。

そこで浮かび上がったのが
市内に3店舗展開している茶そばの老舗「寿庵」。
本店は川越駅に近い場所だが
向かった観光スポットに支店がある。
一同の同意を得て入店した正午前。

小旅行とはいえ旅先につき、昼からビールを注文。
つまみには川越名物さつま芋の天ぷらを所望。

名物に美味いものアリ
photo by J.C.Okazawa

そばが上がるまでのつなぎとしか
位置づけなかったこの芋天が
あにはからんやイケたのだった。
ビールにフライドポテトが合うのなら
さつま芋の天ぷらで悪い道理がない。

お願いしたのは二色せいろ。
茶そばと二八そばが別盛りで供された。

真冬に緑の風が吹く
photo by J.C.Okazawa

コシがほどよく、のど越しもよい。
めったに試さぬ茶そばだが
初めて優良品に出会った感じ。

二八のほうもなかなかで
この店は単なる立地条件におんぶした
観光客目当ての下らぬそば店ではない。

こちらもしっかり期待に応える
photo by J.C.Okazawa

粉わさびだけが残念ながら
丁寧にしてたっぷりのさらしねぎがうれしい。


【本日の店舗紹介】
「寿庵 蔵のまち店」
 埼玉県川越市幸町3-18
 049-226-9725

 
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2009年2月17日(火)

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