「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第697回
♪ セブンイレブンで ヤな気分 ♪ (その2)

am/pmがローソンに買収されるにしても
世の中の小売業界を牛耳るコンビニの数は
まだまだ多いのではないか。
その中の勝ち頭ともいえるセブンイレブンが
やらかしてくれたハナシである。

その前にもう一度、
セブンイレブンの取扱商品を吟味してみたい。
三和豆友の製造する木綿豆腐と
缶ビールについては昨日のコラムでふれた。
そのほかにJ.C.が購入するのは玉子である。
新鮮な玉子は黄身が盛り上がるほどだ。
これは大手ならではの仕入れ力の勝利だろう。
タイ産の紅生姜はどうということはないが
国産の福神漬は味と値段の兼ね合いから
合格点をつけられる。
弁当は買ったことがないので判らない。

そう、この弁当でやらかしてくれたのである。
公正取引委員会が独禁法違反の疑いで
調査を始めたと報じられたのは10日ほど前のこと。
フランチャイズの加盟店が
主に弁当・おにぎり・サンドイッチなど、
消費期限の迫った食品を値引きして売り切る、
いわゆる見切り販売を制限するために
契約解除をちらつかせて圧力を掛けていたというのだ。
廃棄分はすべて加盟店の負担だから
おそるべき優越的地位の乱用である。

そもそもセブンイレブン本部は加盟店に対し、
指導料の名のもとにかなり高額の
チャージ(ロイヤリティー)を取っている。
何と売上高から経費を差し引いた総利益の43%だ。
J.C.は新聞を読んでいてわが目を疑った。
4.3%の誤植ではないかと思ったくらいだ。
しかも廃棄する弁当などのロスを
原価から差し引けないから
加盟店が支払うチャージはそのぶん高くなる仕組み。
これでは加盟店はたまらない。
稼いでも稼いでも、わが暮らし楽にならざりである。
何だかかつての地主と小作人の関係を思い出した。

見切り販売の制限はまことにもって
大企業のエゴとしか言いようがない。
本部の利益とブランドを守るために
血道を上げるだけだから
裏を返せば、加盟店と消費者の不利益につながる。
まさに自分たちさえ儲かればいいという発想だ。

そのほかにも問題点がある。
半日ほど経過して売れなければ廃棄される弁当を
作り手は心をこめて作ることができるだろうか。
心のこもっていない弁当がおいしいわけはなかろう。
これでは作り手も食材の生産者も不幸で
おまけに余計なゴミを増やすだけのことだ。
世界には明日食べる食料もない子どもたちが
たくさんいるというのに
日本の優良企業がこのような
非人道的なシステムのもとに栄華を誇っていて
はたして赦されるものだろうか。

以前、グループの鈴木会長が綴られた
日経新聞の「わたしの履歴書」を読んで
立派な方だと思っていたが、心が寒々としてきた。
ここはひとつ、会長の鶴の一声で
一抹の良心を見せていただきたいものである。

 
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2009年3月5日(木)

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