第704回
取材費を徴収する中華料理店
4月号で廃刊となる「大人のウォーカー」の
取材で銀座の中華6軒を食べ歩いた。
2千円以内で食べられるランチ特集である。
あまり人の集まらない交詢ビルの
「趙揚」をいの一番に訪れた。
ここへ来るのはおよそ2年ぶりのこと。
土曜日の正午過ぎに入店すると
先客は中年のオバさま一人きり。
あとでカップル1組と
やはりオバさま二人連れが来店したので
この日のランチタイムは計6人の来客数。
ほかを覗くと、交詢ビルはどの店も閑散としていた。
土曜の昼にこの有様ではあまりにも淋しい。
お昼のセットメニューはAからEまで5種類あり、
プライスレンジは千円から5千円。
2千円以内で食べられるのは
A |
麻婆豆腐 |
1000円 |
B |
鶏肉の黒みそ炒め |
1200円 |
C |
上記2種+水餃子 |
1800円 |
以上3種類である。
それぞれにスープ・ザーサイ・杏仁豆腐が付く。
Cを注文した。
待つこと10分足らずで登場したのがこれだ。
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水餃子がないのに杏仁豆腐がある
photo by J.C.Okazawa
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中華にありがちだが、J.C.はいっぺんにドーンと
デザートまで配膳されることに大きな抵抗がある。
主菜と一緒に、ごはん・味噌汁。香の物が
一つのお膳で供されるのは構わない。
ここにデザートが含まれるのがイヤなのだ。
例外はフライト中の機内食だけだろう。
ましてやこのケースはあとから
水餃子が追いかけて来たのである。
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遅れて来た水餃子
photo by J.C.Okazawa
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こういうのはやっぱりナシでしょう。
町場の気の置けない中華屋さんならご愛嬌だが
天下の銀座の交詢ビルの高級店がこれでは困る。
麻婆豆腐の味は悪くなかったものの、少々油っこい。
鶏肉の黒みそ炒めしかりで
もうちょっと油を控えていただきたい。
おまけに鶏肉が細かすぎて箸で捕まえにくいから
食べた気がまるでしない。
皮が厚めの水餃子も感心しなかった。
全体的な評価は当然、高いものではなかった。
後日、「台湾海鮮」・「上海小南国」・「黎花」など、
「趙揚」と合わせて6店を踏破したが
ここで問題が勃発した。
どうやら「趙揚」は取材を受ける場合に
一律15万円の取材費を取るようなのだ。
よそではあまり聞いたことのないハナシで
おめおめとその金額を支払う雑誌があるとも思えない。
結局は6店から外れてもらい、
あらたにほかの1軒を追加することに。
鶏肉黒みそ炒めの食後感同様、
後味の悪いことになりましたとサ。
【本日の店舗紹介】
「趙揚」
東京都中央区銀座6-8-7交詢ビル4F
03-3289-2006
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