第713回
町で評判の「都寿司」(その2)
アパレル問屋街・横山町の隣り、
旧・橘町の「都寿司」に来ている。
このお鮨屋さんは正式名を「日本橋橘町 都寿司」という。
あぶった帆立貝柱を寿司海苔で巻いた
磯辺巻きをいただいたところだ。
お次は焼き物である。
当夜は太刀魚の塩焼きであった。
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酢橘を添えた太刀魚塩焼き
photo by J.C.Okazawa
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かつての鮨店では見られなかった太刀魚も
今は流行の先端をいくのだろうか、
しばしば遭遇するようになった。
つい先日も本駒込の「ゆうひ鮨」で
いただいたばかりである。
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「ゆうひ鮨」でも酢橘が添えられて
photo by J.C.Okazawa
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よい機会だから写真を見比べてみる。
ここで鮟肝が来た。
他店にありがちなポン酢ではなく、
甘辛味でサッと煮てある。
煮汁をからめただけかもしれない。
このシゴトには最近出会ったことがあるぞ。
向島の「秀寿司」だったかな?
フードダイアリーを繰れば判明するのだが
少々面倒なのでここは看過する。
われながら不精になったものだ。
とにかくこの鮟肝はよい箸休めとなった。
今度は真鱈の白子入り茶碗蒸し。
これまた、ありがちなポン酢でないところがよい。
白子というと判で押したように
ポン酢で供する店には、ぜひ見習ってほしい。
あれほど退屈なモノはないからだ。
ついでに言えば、白子の煮付けがもっと見直されていい。
お待ちかねのにぎりに突入しての初っ端は小肌である。
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半身2枚、計1尾付けの小肌
photo by J.C.Okazawa
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これも「ゆうひ鮨」のそれと比べてみる。
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こちらは新子が2尾付け
photo by J.C.Okazawa
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美しさでは断然「ゆうひ鮨」に軍配だろう。
新子のかすり模様のほうが繊細だから
これは致し方ない。
真鯛の松皮造り・春子の昆布〆・生あじと続いた。
あじも両店の写真があるのでご覧に入れる。
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飾り包丁が独特の「都寿司」のあじ
photo by J.C.Okazawa
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対照的に簡素な「ゆうひ鮨」のあじ
photo by J.C.Okazawa
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二人の親方の目指す方向がまったく違うのがよく判る。
大胆なチェック柄の「都寿司」のあじは
人によってはグロテスクに見える。
J.C.の目にはそのように映った。
続いては、あぶり金目鯛・〆さば・大星軍艦。
大星というのは大粒の青柳の貝柱のこと。
大きな小柱ということになる。
主産地は北海道で
江戸前の青柳ではこんなに大きな柱は育たない。
これはとても美しい軍艦にぎりであった。
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一粒食べてから撮影を思い出した
photo by J.C.Okazawa
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ここまでで、にぎりは7カン。
あと3〜4カンは登場するはずだ。
いやはや、楽しみ、楽しみ。
=つづく=
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