「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第715回
WBCで気になった新聞記事(その1)

あれからもう1週間。
さすがに興奮も冷めてきたが
思い出すといまだに
血が沸き立つ人もいるのではないか。

1966年、W杯のイングランド大会。
イングランドVS西ドイツの決勝戦を
観終わったエリザベス女王が
「フットボール(サッカー)にはドラマがある」――
この有名な(英国では)言葉を残した。
野球にもドラマがあるんですねェ。
女王にはぜひ一度、野球をご覧いただきたいものである。
もっとも彼の地にはクリケットがあったか。

ふと思い出して1週間前の新聞記事を
引っ張り出してきた。
ちょうど決勝戦の日の日経新聞夕刊である。
気になって切り抜いておいた記事を
あらためて読み返してみる。

夕刊のスポーツ欄の見出しは
“ 日本、1点差で終盤
  つなぐ野球 神髄見せる
 ”
であった。
8回の裏までのスコアは3対3。
写真はタイムリーを放った中島だ。

その写真の左脇に
ベースボール見聞録」なるコラムが見え、
野球担当の記者だろうか、
M.Sさんという方の記事が掲載されていた。
サブタイトルは「根を詰めた野球」。
この記事が1週間もの間、
心の底にまるで赤ワインの滓(おり)の如くに
降り積もっていたのである。
しかも、看過できない違和感を伴って――。

とうとう、我慢できずに取り上げることにした。
全文を紹介するわけにはいかないから
ダイジェスト版でお送りしたい。
他人の文章を縮めるのって
けっこう難しいんだな、これが。
では参ります。


中南米の選手たちに、
日韓の野球は気詰まりに見えるらしい。
決勝に残った日韓はどんなときでも気を抜かない。
準決勝ではこの差が出た。
こういう野球は負けない。
しかしメキシコのゴンザレス内野手の言葉が引っかかる。
「お国柄もあるだろうけど、おれたちはリラックスして
 楽しみながらプレーして力を発揮するんだ」
中南米は根を詰めた野球に破れたが、
波に乗った瞬間の最大の強さでは
彼らにかなわないかもしれない、とも思う。
日本選手も今どきはそれなりに
喜怒哀楽を出してプレーしている。
だが、アジアの外からは相変わらず
日本はしかめっつらをしながら
野球をしているとみられている現実。
日本や韓国を最強だと認めたとしても、
彼らが同じ道をついてくることはまずないだろう。

言わんとするところはよく判る。
よく判るが賛同はしかねる、というより反対だ。

             =つづく=

 
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2009年3月31日(火)

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