「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第718回
天丼を食べにブロードウェイへ行こう!(その1)

海の向こうではブロードウェイが
大変なことになっているらしい。
いくつものミュージカルが不況のあおりを食って
興行打ち切りの憂き目を見ている。
興行主も大変だが、役者さんはもっと大変だ。
早く景気が回復して、活況が戻ることを祈るばかりだ。

話は飛躍するがマンハッタンのブロードウェイ界隈に
日本料理店はかなりの数にのぼる。
七番街から東よりでは高級感のある店が多く、
西側の八番街近辺になると、カジュアルな店舗が目立つ。
そういうところでも鮨が食べられるし、天ぷらだってある。

そこで今日のコラムはブロードウェイの天丼だ。
ただし、ニューヨークの本場ではなく、
中央線・中野のブロードウェイのハナシ。
初めて中野ブロードウェイに足を踏み入れたときには
いやあ、実に驚きましたね。
ここは日本じゃありませんぞ。
どこか東南アジアのマーケットにでも
さまよい込んだのかと錯覚すら覚えましたもん。

実は医療関連のセミナーに顔を出すつもりで
中野に赴いたものの、大幅に遅刻してしまい、
出席をあきらめなければならなくなった。
たまたま友人が二人出席していて
終了後は近場で一杯やることになっていたため、
J.C.は手回しよく、飲み屋の物色にかかったのである。

時刻は間もなく20時。
マイ・ストマックは食物を欲することはなはだしい。
ここで思い出したのが「住友」なる銀行、
ではなくて天ぷら屋であった。
この店が中野ブロードウェイの2階にあったのだ。
廉価でうまいという評判を聞き及んでいたから
もっけの幸いと、勇んで訪れたのである。
当たりだったらここに居座り、
友人たちの到着を待てばよいだけだ。

壁の品書きに目をやると、
はぜの天ぷらがあるではないか。
しかも値段は何と380円である。
大手居酒屋チェーンより安いじゃないか。
もっとも大手居酒屋にはぜはいないか。
ビールとともに即刻、お願いする。

ついでに冷奴も注文したのだが、
これがまた160円と泣かせる値段だ。
こんな価格設定で商売が成り立つものだろうか。
見回すと、天ぷら鍋の前に立つ店主のほかに
おそらく女将さん、そして息子か娘の夫婦。
総勢4人で切り盛りしているのだから
それ相応の人件費はかかってしかるべし。

スーパードライの中瓶に遅れること約1分で
冷奴がまず登場した。
削り節ときざみねぎは盛られていても
残念ながらおろし生姜はナシだ。
この値段ではとても文句は言えない。

           =つづく=

 
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2009年4月3日(金)

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