「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第722回
浅草には浅草の天丼がある

別に身柄を拉致されたり、
拘束されていたわけではないが
のっぴきならない事件に巻き込まれて
本日はコラムのアップが遅れたことを
まずはお詫び申し上げます。

遅ればせながら、さて本題。
ときどき浅草の居酒屋で顔を合わせるH田サンと
たまたまその店で隣り合わせに座った。
彼曰く、「J.C.は最近、浅草の店を紹介しなくなったね」
こう言われて、Qさんコラムを振り返ると、
当たらずとも遠からずであった。

それではと、浅草に出掛けて行った。
中野で図らずも当たりの天ぷら店「住友」に
ぶつかったこともあり、
天ぷらを食べる気になっていた。
行く先はフラワー通りの角にある「天健」である。
「てんけん」ではなく「てんたけ」と発音する。
伝法院の真ん前の超人気行列店「大黒家」の
前にずらりと並ぶおのぼりさんを尻目に
「へへ、こっちの天丼のほうが美味いんだモンね」
などと戯言(ざれごと)を
心の内でつぶやきながら歩いて行った。

かつて「天健」のはす向かいには
お好みホットドッグの名店「ジロー」があった。
ホットドッグといっても
ドッグ用のパンの中にソーセージが
居座るタイプではなく
ハンバーガー用のバンズを使ったもので
その中身もとんかつやハンバーグや
エッグサラダと多種多彩。
そしてどのドッグにもケチャップで炒めたマカロニが
必ず入っていたものだった。

さて「天健」である。
品書きに目を通すと、
天丼が1500円で天麩羅定食が1900円。
これが(上)になると、
それぞれ1900円と2300円になる。
ほかに刺身定食(2000円)というのもあった。

ほんの少々、思案をして
注文したのは(並)の天丼である。
待つことおよそ10分。
目の前で調整されたどんぶりがトンと置かれた。

海老の尻尾がはみ出ている
photo by J.C.Okazawa

「うん、天丼のあるべき姿だ」
独りゴチておもむろに蓋を開けた。

海老2・きす・めごちの天丼
photo by J.C.Okazawa

「おお、野菜のないのが生粋の江戸前天丼だ」
再び大きくうなずいて、割り箸をパキリと割った。

いかにも浅草風といった味わいは
5年前と寸分も変わるところがなかった。
それよりも何よりも、豆腐・なめこ・三つ葉の
入った赤出しがめっぽう美味い。
加えてきざみキャベツの浅漬けが量もたっぷりで
天丼のよき合いの手となってくれる。
1500円は安くはないけれど、
シンプルな天丼に浅草を肌で感じたJ.C.であった。


【本日の店舗紹介】
「天健」
 東京都台東区浅草2-4-1
 03-3841-5519

 
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2009年4月9日(木)

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