「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第723回
浅草一丁目一番地

デンキブランで有名な「神谷バー」の所在地は
東京都台東区浅草一丁目一番地一号。
浅草のランドマークにふさわしい住所だ。
ここはリピーターでもないJ.C.が
コンスタントに顔を出す気に入りスポットである。
毎月とはいかなくとも、年に5〜6回は訪れる。

基本的にビヤホールだから
夏場の利用が多いものと思われるだろうが
ほぼ毎年、おジャマするのは決まって1月2日。
初詣をこの日の浅草寺と決めているからだ。

夏のビールはもちろんうまい。
週末にどこぞでランチを食べたあと、
夕めしどきまで汗びっしょりになり、
長い、なが〜い散歩をする。
それから飲むビールのうまさは何ものにも替えがたい。
のどを鳴らしてビールを飲んでいるときにこそ、
生きる歓びを実感できるといっても過言ではない。

燗酒だけでなく、冬のビールも大好きだ。
でなければ正月早々、ビヤホールに繰り出したりしない。
空気が乾燥してのどが渇く冬場もまた、
ビールのうまい季節と言えるだろう。
とか何とか言いながら、
とにかく一年中ビールを楽しんでいる。
ごはん粒を口にしない日があっても
ビールを飲まない日は一日としてないのだ。

「神谷バー」ではまず、中ジョッキを2〜3杯。
それからデンキブランに移行する。
さすが発祥の店だけあって
ここには2種類のデンキブランがある。
通常のデンキブランが260円で、
電氣ブランオールドが360円。
電氣のほうは多少、度数が高いように感じる。

よく注文するつまみと料理は
ポテトサラダに串かつ、そして盛合わせ料理のC。
これは蟹クリームコロッケとハンバーグの盛合わせ。
ポテトや揚げ物と生ビールの相性は
今さら指摘するまでもない。

ニシンのマリネも好きな一品だ。
ロシア料理店の多い浅草では
古くから住人がニシンの酢漬けに
なれ親しんでいるから、この店でも人気が高い。
ニシンといえば、今年は数十年ぶりの豊漁だという。
漁場は北海道の日本海側。
最盛期には押し寄せるニシンの群れが放つ精液で
海が白濁したというからすさまじい。

最近、メニュー載るようになった新顔に
魚介類のブイヤベース風がある。
これが期待以上の出来映えだ。
値段も手頃な850円と、とっつきやすい。
具だくさんというのではないが、おすすめしたい。

昔ながらの制服姿のウエイトレスも好感度大。
ヘンに慇懃でないところがよろしい。

トレイ・ダスター・サロンは三種の神器
photo by J.C.Okazawa

素朴な雰囲気の中でフトコロの心配をせずに
心置きなく飲める「神谷バー」へ来ると、
心の芯からくつろいでいる自分を認識する。


【本日の店舗紹介】
「神谷バー」
 東京都台東区浅草1-1-1
 03-3841-5400

 
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2009年4月10日(金)

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