「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第726回
「山利喜」ただ今 改築中(その2)

もつ煮込みの有名店「山利喜本店」の建て替えが
順調に進んで年内には営業再開の見通し。
仮営業の「山利喜 もりもり店」におジャマしている。
手狭な店舗につき、煙りモウモウの焼きとんの提供は
ハナからあきらめて、ゆでとんを主力商品にしている。
言わば、世をしのぶ仮の姿である。
ところが、こいつがとても美味いのだ。
本店リオープンの際にもぜひ、品書きに載せてほしい。

酸っぱめドレッシングのクレソンサラダと
3本のゆでとんを食べ終える頃、
キリンの大瓶もカラになった。
のちほど名物のもつ煮込みをいただくので
その相性を考慮してホッピーに切り替える。
通常の白ホッピーではなく、
エグみとコクみに勝る黒ホッピーを選択した。
隅田川をはさむ台東・江東・墨田の3区には
ホッピーを飲ませる居酒屋や大衆酒場が多い。

煮込みの前にもう一品をと、
再び品書きに目を凝らす。
生モノの取り揃えがずいぶんと多彩だ。
居酒屋の定番、小肌酢と〆さばの存在が心強い。
三陸の生がきがあるかと思えば、
能登産の青なまこ酢も顔を見せている。
本まぐろ小トロ又は中オチ(900円)なんてのもあった。
小トロというのは赤身と中トロの中間のつもりだろう。

サーモンハラスの燻製や
マッシュルーム入りオムレツにも惹かれたが
注文したのはラクレットチーズとじゃが芋のギャレット。

チーズのトロけ具合がちょうどよい
photo by J.C.Okazawa

ポーション小さめながら、ちょいとばかり、
フレンチビストロ風で目先が変わっていいものだ。
ラクレットと聞くと、湯島天神下の人気居酒屋、
「シンスケ」のきつねラクレットを連想する。
いでたちは異なるものの、味のほうは甲乙付けがたし。

さて、お待ちかねのもつ煮込み。
通常の煮込みは650円で、玉子入りだと700円。
ともにガーリックトースト付きである。
煮玉子をトーストに乗っけて食べたくもあり、
迷うことなく玉子入りを所望する。

見覚えのある煮込みとガーリックトースト
photo by J.C.Okazawa

うん、やはり「山利喜」の煮込みは
ガーリックトーストにピッタリだ。
白もつの内壁にトロンと濃厚な脂身を蓄えて
赤ワインがほしくなるが、ここは我慢した。
居酒屋のエキスパート、太田和彦さんが制定した
東京の三大煮込みはこの店のほかに
月島「岸田屋」と北千住「大はし」。
3軒の中からJ.C.の好みで選ぶと、
「山利喜」ということになる。

そうそう、初っ端の突き出しの
キャベツときゅうりの浅漬けが
実に丁寧なこしらえで
お替わりしたいくらいのもの。
こんなところに優良店の優良店たる所以が
潜んでいるのである。


【本日の店舗紹介】
「山利喜 もりもり店」
 東京都江東区森下2-24-3
 03-3633-1638

 
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2009年4月15日(水)

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