「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第736回
名曲のあとのトルコ料理(その1)

昨日のコラムにも登場したK木夫妻のお声掛かりで
今度は池袋の芸術劇場におけるコンサート。
小竹向原の「樽見」で河豚に舌鼓を打ったメンバーが
ほぼそっくりそのまま8人集まった。

この夜の演目は三石精一指揮による
メンデルゾーンであった。
メンデルスゾーンというと、
有名なヴァイオリン協奏曲ホ短調の
イメージがつきまとうが、
およそ2時間に及んで聴き続けてみると、
ずいぶん印象が異なることに驚かされる。
ドイツロマン派とは思えぬほどに
その音楽からはスコットランドや
スカンジナヴィアの荒れた海原が
浮かび上がってくるのである。

公演がハネたあとはみなさん腹ペコにつき、
レストランに一目散。
池袋なので「笹周」の鴨鍋が第一候補であったが
8人ではすんなり入れるかどうか判らない。
結局、芸術劇場にほど近いトルコ料理店に決めた。
メンデルスゾーンのあとは
モーツァルトで決めてみたわけだ。
つながりは言わずと知れたトルコ行進曲である。

「アンテップ」なるレストランは
かなりの大箱で2階に通された。
タップス・キョルシュという名のビールは
トルコで見かけたことがないが
ウエイターのおすすめに従って飲んでみると、
独特のクセがあり、どうにもなじめない。
サントリー・モルツの生に切り替えた。

トルコ料理のスタートは
メゼと呼ばれる前菜である。
ペースト状に煉り上げられた豆や野菜のことで
これをエキメキというトルコパンに
塗り付けるようにしていただくのである。
ひよこ豆のフムス、
茄子のババガナーシュなどがポピュラーだ。
このメゼなる前菜はトルコだけでなく、
中近東一帯にも広く普及している。
おそらくオスマントルコの影響だろう。

エキメキは円形のパンだが
中に空気が入って球形にふくらんでいる。
インドのプーリや
イタリアのボンバによく似たものだ。

続いての温かい前菜はシガラボレイ。
チーズ入りの細い揚げ春巻である。
形状からして葉巻のシガーが
料理名の由来だと思われる。

そしてトルコ料理に
なくてはならないチョバンサラット。
これは羊飼いのサラダという意味。
葉野菜を使わずにトマト・きゅうり・玉ねぎなどを
細かく刻んだサラダは
トルコの人々の大好物なのだ。


          =つづく=

 
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2009年4月29日(水)

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