「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第737回
名曲のあとのトルコ料理(その2)

総勢8名のオジさんオバさんで
池袋のトルコ料理店「アンテップ」の2階にいる。
クセのあるトルコビール、
タップス・キョルシュに閉口して
サントリーの生に逃げたのだった。
前菜のメゼ盛合わせと揚げ春巻のシガーラボレイのあと、
羊飼いのサラダを食べ終えたところだ。

ここでトルコのアジア側で造られた赤ワイン、
オキュスギョズ・カヴァクリデレ'06年を。
概して地中海沿岸で生産されるワインには
ハズレが非常に少なく、値付けも手頃なものが多い。
このワインも例外ではなく、1本4千円のお値打ち品。
殊にこのあと羊の肉が登場してからは
相性の良さをいかんなく発揮したのである。

次の皿はアンテップ・ピラウ。
店の名を冠した炒めごはんのことで
直訳すれば、当店風ピラフということになる。
これには羊の挽き肉とひよこ豆が入っている。
トルコに限らず中近東やエジプトでも
よく食べられるひよこ豆はガーバンゾーとか、
チック・ピーとか呼ばれるが、
確かエジプト豆の異名も取ったのではなかったかな。
野菜の蕪を逆さにしたような
独特の形をした豆である。

そして本日のメイン・ディッシュ、
ケバーブの盛合わせだ。
仔羊・チキン・羊肉ソーセージがその内容。
こういったデッカいプレートが食卓を飾ると、
一気に座が盛り上がる。
やはりトルコの料理はチキンよりも羊モノで
何と言っても赤ワインとのハーモニーが段違い。
ワインをあんまり召し上がれない方々は
白飯をとって羊やチキンをおかずにしだした。

定番で進めてきた食事だったが
このへんで店のスペシャリテというか、
あまりほかのトルコ料理屋で
見掛けないものを試したくなる。
そこで選んだのがチョバンカウルマ。
チョバンは羊飼いと判るものの、
カウルマはいったい何のことやら・・・。
羊のことか、炒め物のことだろうと想像しておく。

現れたのは賽の目に切った羊肉と、
同じく賽の目のピーマンと玉ねぎを
フライパンで炒めた料理だった。
羊肉が鶏肉に代わり、カシューナッツでも加われば、
中華料理の腰果鶏丁ということになる。
ところがこの料理だけが口に合わなかった。
不味いというのではないけれど、
調味油にクセがあったのだ。

これまではみんな美味しくいただいていたのに
最後の冒険で大きく外してしまった。  
もっともチョバンカウルマが出てきたときには
ほぼ全員が満腹状態。
それが災いに輪を掛けたことにもなった。
空腹ならば何を食べても美味しいものが
満腹だと何を食べても美味しくない。

コンサートのあとの食事だったから
終了したのは11時過ぎ。
夜に1軒で済ませることは滅多になくても
この時間ではあきらめるほかはない。
池袋の夜も更けて一同解散。


【本日の店舗紹介】
「アンテップ」
 東京都豊島区西池袋3-27-15
 03-3985-0736

 
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2009年4月30日(木)

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