「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第744回
世にも不思議な天豆料理

神保町と九段下の中間に位置する
「源来酒家」を久しぶりに訪れた。
総勢7人は中華料理を味わうには持ってこいだ。
寧波家庭料理を謳うこの店は
中華料理店の乱立するエリアにあって
学士会館の「紅楼夢」と並び、
マイ・フェイヴァリット・チャイニーズである。

ショックだったのは
好物だった焼き饅頭やたこ焼きが
メニューから消えてしまったこと。
接客のオバちゃんにそう聞かされてガックリ。
おかげで店の魅力は半減どころか、
四分の三くらい消えてしまうのではないだろうか。
この営業方針が何とも理解しがたい。

仕方がないからビールの合いの手に
チャイニーズ・サラミの香腸をお願いする。
あっと言う間に出て来るから
とりあえずの一品としては打ってつけなのだ。

どうせこのあと紹興酒に移行するので
ピータンも注文しておく。
ビールに香腸、紹興酒にピータン。
まさに王道の選択ではないか。
しかもオバちゃんに訊ねると、
この夜の甕出し紹興酒は開けてから
そんなに時間が経っていないとのこと。
これが実にありがたい。
甕出し紹興酒は上澄みがベストなのである。

何気なしに天豆の料理を頼んでみた。
単に茹で上げただけのものではないらしい。
汗ばむ陽気の日のことで
ビールのアテの枝豆代わりに
ついつい頼んでしまったものだ。

皮付き天豆煮
photo by J.C.Okazawa

皮を付けたまま煮られた天豆が
運ばれたときには一同、目が点。
これでは天豆ならぬ点豆だ。
ところが実際に食べてみるとなかなかイケる。
皮付きの天豆料理は生まれて初めての経験ながら
日本人の発想を超える新鮮さがあった。
思えば日本人の場合、
昔から茹でた天豆だけをパクパクと
食べてきたような気がしてならない。

焼き饅頭はなくとも、
点心に秀でたところがある店ゆえに
小籠包子と焼き餃子を抑えておく。

スープを閉じ込めた小籠包子
photo by J.C.Okazawa

餃子のほうは大葉入りである。
どちらもうまし。

野菜不足を補うために空芯菜の塩味炒めを追加し、
具だくさんの上海焼きそばで締めくくった。
7人も集まって計7品では
もの足りないような気がしないでもないが
当夜はこれでよいのである。
ここから浅草橋の激安居酒屋、
「やまと」に流れたからである。

気のあった仲間が数人集まって飲み始めると、
縄のれんか赤提灯のお世話にならないと
気が済まない輩(やから)がどうしても出て来る。
一同、マイ・ホームタウンに大移動と相成った。


【本日の店舗紹介】
「源来酒家」
 東京都千代田区神田神保町3-3
 03-3263-0331

 
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2009年5月11日(月)

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