「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第748回
日本のピザとイタリアのピッツァ(その2)

GW明けの日曜日。
高円寺の南の新高円寺でコンサートのあと、
仲間たちと食事をする予定となっていた。
当日はひとり早めに現地入りして
目ぼしい店の物色にあたっていたのだ。

コンサートのハネる時間が16時前なので
ランチとディナーのあいだに
休憩をとる店はハナから除外しなければならない。
青梅街道を北に入ったところに
道幅の狭い商店街があり、
入り口のゲートに高円寺ルックとあった。

一通りチェックして候補に挙がったのは
イタリアンとインディアンの2軒。
パスタとピッツァでいくか、
タンドゥ−リチキンとカレーでいくかの二者択一。
人数が多いと、辛いものが駄目な人も出てくる。
ここは万人受けのするイタリアンに決めた。

選んだ「アル・デンテ」という店は
パスタの取り揃えが豊富ながら
ほかは3種類のピッツァに
4種類の前菜と3種類のサラダがあり、
メニューに主菜となるような魚・肉料理が
まったく見当たらない。
その代わりにグラタンとドリアがあった。

アトランダムに注文してみた。
前菜には生ハムといかの墨煮。
サラダがシーフード。
ピッツァはミックスとマルゲリータ。
パスタはスパゲッティがミートソース。
これはあえてボロネーゼと謳っていない。
それに手打ちのタリアテッレがゴルゴンゾーラのソース。

本格的なトラットリアではないのだが
料理は押し並べて水準をクリアしていた。
いかの墨煮にコク味があり、
あさり・小海老・帆立入りのサラダもまずまず。
ミートソースはゆるみのないしっかりとしたもの。
タリアテッレにコシが足りないが
日本の若い女性にはこのほうが受け入れやすいだろう。

面白かったのはピッツァ。
ミックスは具だくさんで典型的な日本のピザパイ。
それではマルゲリータは本場風かと思いきや、
これがまた傑作なのだ。
生地の上にチーズ、ぞの上に薄切りトマトを敷き詰め、
6切れにカットされた1切れずつのそのまた上に
バジルの葉が1片ずつ置かれている。
実物を前にしてピザかピッツァか判断に迷うが
どちらかといえばピッツァだろう。
肝心のお味のほうも悪くなかった。

飲みものはビールが生もボトルもサッポロ。
ワインはキャンティがフルボトルで3千円だったかな。
これを2本空けた。
和気あいあいと早めの夕食を楽しんだわけだが
この日の主役はピザでもピッツァでもなく、
ましてやキャンティでもなく、
当年とって3歳半のM琴チャン。
同席した同窓生のK野サンのお孫さんだ。

女の子のほうが男の子より言葉が早いというけれど、
まさしくその通りで
しかもその一言一言に幼児らしからぬウイットまで
多分に含有されているから、聞いていてあきない。
孫どころか子どもすらいない身にとって
久しぶりに幼な子と囲む食卓は新鮮なものがあった。
M琴チャン、ありがとね。


【本日の紹介店舗】
「アル・デンテ」
 東京都杉並区高円寺南3-21-16
 03-3312-2622

 
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2009年5月15日(金)

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