「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第750回
神楽坂 一夜五軒の はしご酒(その2)

散歩の達人・坂崎重盛氏、
神保町「やまじょう」の女将・M子サンと3人で
神楽坂を飲み歩いている。

ビアバー「Bitter」、蕎麦居酒屋「まろうど」のあと、
3軒目は「かぐら坂新富寿司」。
本多横丁を裏路地に折れると、
見覚えのある袖看板に明かりが灯っている。
あらかじめ店主のR太郎に電話を入れ、
つけ台に席を確保してあった。

笑顔の大女将に迎えられ、4人で乾杯。
まずはビールである。
というか、ここではずっとビールで通した。
つまみは本まぐろの赤身と中とろ。
重盛翁とM子さんは小ぶりのにぎりを楽しんでいる。
興が乗ってきて大女将の婆チャン自慢の
のどの出番となった。
合いの手を入れていた重盛翁も
上機嫌で歌い始めた。
ともに老いたりとはいえ、
ちょいとしたヒデとロザンナである。

J.C.のビールも2本目に突入し、
まぐろ以外に何かをつまんだはずだが
翌朝目覚めても何を食べたか思い出せない。
いよいよボケが始まったのかも・・・。

「新富寿司」を何時に出たのかすら覚えていないが
おそらく11時半くらいであったろう。
ここでM子サンは帰宅の途についた。
走り去るタクシーを見送りながら
重盛翁がつぶやいた。
「さて、もう1軒行きますか?」
想定の範囲内とはいえ、実に元気なご仁だこと。

案内されたのはやはり本多横丁から
脇に入った(と思う)ワインバーだった。
その名を「コルク」という。
これは判りやすい店名だ。
ここは翁行きつけの店のようで
カウンターの中の店主と親しげに言葉を交わしている。

飲んだのは赤ワイン。
銘柄を失念したものの、
華やかなピノ・ノワールの香りは
まぎれもないブルゴーニュであったはずだ。
お替わりした記憶があるから
グラスに2杯飲んだのだと思う。

小1時間はステイしていただろうか、
よっこらしょと腰を上げ、
外に出ると、さすがに道行く人影も減ってきている。
ここで翁再び一言。
「さて、締めにもう1軒!」
この人と毎晩飲んでたら殺されちゃうよ、まったく。

おぼつかない足取りでたどり着いたのは
これまた本多横丁から入り込んだ「Chika」なる
クラブというか、ラウンジと呼ぶか、
とにかくそんな感じのお店。
ちなみにこの細い路地はみかえり横丁というらしい。

ママさんらしき女性が
隣りに座って話し相手になってくれた。
たぶんここにも1時間ほどいたんだろうね。
閉店が午前2時だから、
それ以前に辞去したことは確かだ。

翌朝は久しぶりの二日酔い。
5軒もハシゴしたんじゃ、さもありなん。
それにしても重盛翁には
バッカスの怨念か何かが
取り付いてでもいるのだろうか。
残り少ない余生のためにも
とにかく身体だけは大事にしてもらいたいものである。


【本日の店舗紹介】
「かぐら坂新富寿司」
 東京都新宿区神楽坂4-4-17
 03-3268-2644

「コルク」
 東京都新宿区神楽坂3-2神楽坂田辺ビル2F
 03-3269-5692

「Chika」
 東京都新宿区神楽坂4-5
 03-3260-6353

 
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2009年5月19日(火)

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