第756回
光さす三軒茶屋(その2)
三軒茶屋の駅から歩いて6〜7分。
たった8席しかないイタリアン、
「チェント・ルーチ」に来ている。
イタリア語の店名は「百本の光」の意。
真っ当なイタリアンの数少ないこの地域に
やっと光がさし込んだわけだ。
アンティパスト(前菜)
プリモ・ピアット(パスタ)
セコンド・ピアット(主菜)
ドルチェ&カッフェ
上記のコースが5千円。
ほかにコペルトが一人350円。
選んだ料理は下記の通り。
アンティ
帆立と長芋のガレット仕立て
有機野菜旬の一皿
プリモ
魚介類のバヴェッティーネ・トマトソース
サルシッチャ入りラヴィオリ・ゴルゴンゾーラソース
セコンド
豚バラ&肩ロースのカツレツ
短角牛の煮込み・マデイラ酒ソース
ドルチェ
レモンケーキ&ヴァニラ・ジェラート
リモンチェッロ&柚子チェッロ
ガレットはモチモチの食感が飲茶の大根餅と
コリアンのチヂミの中間といった感じ。
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トマトソースの酸味がいいアクセント
photo by J.C.Okazawa
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有機野菜の一皿はかなりのボリュームだった。
ヴェジタリアンなら狂喜しよう。
黒大根や紅菜苔(コウサイタイ)など、
珍しい野菜の顔も見える。
中ではさつま芋の濃厚なうま味が印象に残った。
ヴァベッティーネというパスタは
ちょっと見は平たいロングパスタの
リングイネに似ているが
真ん中が太くなっている。
切断した断面はグビーボールのようだ。
小海老・ムール貝・あさり・小柱・小やりいかと、
フルッタ・ディ・マーレ(海の果実たち)が多種多彩。
イタリアンソーセージのサルシッチャが入った
ラヴィオリはこの夜のベスト。
ゴルゴンゾーラの風味にラヴィオリがピッタリだった。
散らばったピゼッリ(グリーンピース)も実に効果的。
豚バラと肩ロースのカツレツはコンビーフのような食感。
とんかつ屋では絶対に食べられない逸品である。
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異なる部位のコラボに拍手
photo by J.C.Okazawa
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短角牛の煮込みではこの牛の本領が発揮された。
しつこい脂っ気が少ないところがよい。
ピエモンテの赤ワイン、グリニョリーノとの相性は
この一皿が抜きん出ている。
レモンのケーキとヴァニラのジェラートを
楽しむ相方を尻目にこちらは食後酒のリキュール、
自家製のリモンチェッロをゆっくりと味わう。
シェフのS賀さんが現れて
これまた自家製の柚子チェッロをごちそうしてくれた。
次回は前もって予約して
白身魚のラグーのスパゲッティを
作ってもらう約束を取り交わし、夜の街に出た。
今宵は満腹につき、2軒目はパス、
珍しくもまっすぐ帰宅したのであった。
【本日の店舗紹介】
「チェント・ルーチ」
東京都世田谷区太子堂2-4-11
03-5430-0129
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