「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第758回
横浜から船に乗って(その2)

まず最初に前回(757回)の訂正です。
文中、16行目にJALパック欧州行きとありますが
JTBルック欧州行きの間違いです。
28日の夜にワインを飲んでいて、ふと思い出しました。

さて、今から数えて28年前の欧州旅行を回想している。

 歌は世につれ 世は歌につれ
            西郷さんは犬をつれ

このキャッチは友人・K石クンの十八番で
J.C.の両耳にはすでにタコができてしまっている。

何でこんなのを引き合いに出したかというと、
初めて欧州に旅立った1971年のヒット曲は
レコード大賞が尾崎紀代彦の「また逢う日まで」。
新人賞は男性が五木ひろしで
対象曲は「よこはま・たそがれ」。
女性は小柳ルミ子で「わたしの城下町」だった。
そして当時、世間を騒がせていたのは
ベレー帽にルパシカ姿の連続殺人鬼・大久保清である。

その71年の春から夏への数ヶ月。
北欧から西欧をめぐる間に
日本料理店で食事をしたのは
パリの「大阪」という店、ただ1軒。
清水の舞台から飛び降りるつもりで
大枚を支払ったのだった。
あとは和食の代替として何回か、
中華料理のお世話になった。

その中で今でも忘れえないのは
コペンハーゲンのユースホステル近くにあった
テイクアウト専門店の炒飯だ。
値段を忘れてしまったが
邦貨換算で200円くらいではなかったか。
とにもかくにも2週間ぶりの米のメシだから
そのうまさは格別のものがあった。
あさましくも、むさぼるように完食したのだと思う。

この旅行中、記憶に残る美味しい食事を列挙してみると、

ミートボール――ヘルシンキ大学
ランチ・ビュッフェ――ストックホルムの料理学校
炒飯――コペンハーゲンのテイクアウト中華
グリルチキン――ミュンヘンの「ホフブロイハウス」
*海の幸のスパゲッティ――カプリ島海岸のトラットリア
ローストチキン――マルセイユのアラブ人街の安食堂
赤ワイン付き定食――ボルドーのビストロ
和食もろもろ――パリの「大阪」
赤ワイン付きフランス惣菜もろもろ――
    ベルサイユ宮殿近くにて草の上の昼食
ハムのブローチェ(オランダ風サンドイッチ)―― 
    アムステルダムのブローチェ専門店

赤字は特筆モノで、*ジルシがMVP。

今こうして振り返ると、
貧乏旅行のわりにはけっこういいモンを食べている。
列車での移動中はパンとチーズで済ませたりもしたが
その土地その土地での食事は旅の大きな楽しみである。

初夏を迎えた横浜の港に帰ってきたとき、
ちまたには「よこはま・たそがれ」が流れていた。
次回は横浜のチャイナタウンを訪れる。

 
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2009年5月29日(金)

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