「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第776回
あれに見えるは茶摘みじゃないか!(その1)

当コラムの読者に尾堤サンという、
尾長鶏が堤防に留まっているような苗字の方がいる。
普段、当コラムでは本名をあからさまにせず、
ボカシを入れてO堤サンとするところを
明記してしまうのは書き進むうちに
自ずとバレてしまうからである。
どうせバレるんなら早めに明かしたほうがよい。

尾堤サンは埼玉県・春日部市に
自前の茶畑を所有しているお茶屋の社長さん。
当代で四代目の老舗だ。
「おづつみ園」が商うお茶の量は相当なもので
当然、ご自分のところの茶葉だけでは
需要をまかないきれずに季節になると、
静岡や鹿児島を飛び回ることになる。
したがって各地の旨いものを召し上がる機会に恵まれ、
舌の肥え方も半端なものではない。

昨年11月の第一回「下町を食べる会」に
ご参加いただいて以来、
ちょくちょく顔を合わせるようになり、
今ではすっかり飲み友だちになってしまった。
ちょうど一月ほど前のことになるが
おづつみ園の茶畑で
お茶摘みを体験してみないかとのお誘いを受け、
これは生まれて初めてのよきチャンスと考え、
二つ返事で参加の意思をお伝えした。

中学の同級生にしてハーピストのIアサンと
神保町「やまじょう」で
アシスタントを勤めるMりチャンを伴い、
春日部駅に降り立った日曜日。
雨が心配された当日は強風こそ吹き荒れたものの、
どうにか降雨だけは免れることができ、不幸中の幸い。

駅前から20分ほど、バスに揺られて到着した。
目の前に茶畑が広がっている。

春日部に茶畑があったとは!
photo by J.C.Okazawa

さっそく畑を臨むログハウスに案内され、
ご母堂にお茶をご馳走になる。
餅は餅屋のことわざ通りに、お茶もお茶屋。
定食屋のそれとは別モノにして
茶菓も自社製の上品なモノ。

この日は地元の方々を集め、
お茶摘み&お茶セミナーが開講されており、
O堤社長は自ら教鞭を取っていた。
われわれ一行も途中から教室に
もぐり込ませていただき、講義に耳を傾ける。

いや、このセミナーが実に面白いのだ。
弁舌さわやかにして随所にユーモアを散らせたオハナシに
教室はついぞ笑いの絶えることがない。
これからはワインスクールよりも
ティースクールの時代じゃないかな。
すでに春日部では毎年恒例となった行事は
まだまだ都内に知れ渡ってはいない。
読者の方々には来年の参加を強くおすすめする。

                =つづく=

 
←前回記事へ

2009年6月24日(水)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ