第779回
第六感を刺激され(その1)
映画「東京タワー」で岡田准一と黒木瞳が
食事をした銀座「ル・シズィエム・サンス」地下の
プライベートルームにて晩餐会。
仏語の店名は「第六感」のことである。
ここでは数年前に石原都知事ファミリーが
知事のバースデーを祝っている。
「なんか牢屋でメシ食ったみたいだな」―
そう父親に言われた幹事の良純クンが
「それはないだろ」―と怒ったというハナシを
自らどこかの雑誌に書いていた。
この日の午後は日比谷の映画館で
「スラムドッグ$ミリオネア」を観た。
退屈しないし、楽しめる映画ではあったが
アカデミー賞は過大評価ではなかろうか。
ディナーまで1時間ほど間が空いたので
ツレを誘って有楽町ガード下の「八起」へ。
いえ、これから仏料理のフルコースだってのに
つまみを食べるわけではありません。
それは相方に任せておいて
J.C.は何より好きなビールで喉を潤すんざんす。
キリンラガーの大瓶をゆっくりと飲み、
これではちょいと物足りないと、
今度はキリンの生の中ジョッキ。
何だか順序が逆さまになってしまった。
普通は生から瓶に移行するのだ。
頼んだ料理は以下の3品。
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「めしとも」でも紹介した豚もつ煮込み
photo by J.C.Okazawa
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ネバー・ゴー・バック・ケンタッキーのとり唐揚げ
photo by J.C.Okazawa
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沖縄で食べるより旨いゴーヤチャンプル
photo by J.C.Okazawa
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それぞれ一口ずついただいて、あとは相方にオッツケる。
持つべきものは友だちだ。
相方に手を振り、やって来ました「第六感」。
総勢6名揃いまして、まずは恒例のシャンパーニュで乾杯。
これだからこその事前のビールなのである。
シャンパーニュの銘柄は、マイィ・グランクリュ‘02年。
夕食会の皮切りとして申し分ない。
アミューズ・ブーシュは桜海老のムース。
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踊りではないが踊り子のような桜海老
photo by J.C.Okazawa
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シャンパーニュとの相性もよろしく、
S木シェフの感性がほとばしる。
若くはないシェフなのにこの人の料理は
食べるたびに美味しくなるような錯覚をよぶ。
白ワインはロベール・アンポの
ムルソー−シャルム‘92年。
オードヴルはサーモンのミ・キュイ。
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オマールのコンソメ・ジュレとキャヴィア添え
photo by J.C.Okazawa
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ミ・キュイというと昨今では
チョコレート・ケーキのほうが有名になってしまったが
フレンチの料理法で半生状態のこと。
これがアントレとは思えぬほどのビッグポーションで現れた。
=つづく=
【本日の店舗紹介】
「八起」
東京都千代田区有楽町2-1-21
03-3591-2778 |