「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第791回
仔牛VS仔羊 さて軍配は?(その1)

「お好きな肉は何ですか?」
こう訊かれると返答に窮する。
「牛・豚・鳥のうちで、好きなのはどれ?」
という意図の質問に受け取れるが
好きな料理をつらつら思い浮かべてみると
こればかりはケース・バイ・ケース。
料理によって食材に向き不向きがあるのは当然だ。

様々な料理における、好みの肉の整理を試みると
 カツレツ・・・豚
 唐揚げ・・・鳥・豚
 ロースト・・・鳥・牛
 生姜焼き・・・豚
 網焼き・・・牛・鳥
 もつ焼き・・・豚・鳥
 すき焼き・・・鳥・牛
 しゃぶしゃぶ・・・豚
 肉じゃが・・・牛
 カレー・・・豚・鳥

とまあこんな具合になる。

ビフカツやチキンカツも悪くはないが
カツの極め付きはとんかつであろう。
洋風のポークカツレツもまたしかり。
揚げ物の場合はフライドチキンと
鳥唐揚げがポピュラーなせいか
鳥肉ばかりに目が行きそうになる。
ところが豚肉もまた揚げ物に適した食材で
とんかつに限らず、酢豚なんかも顕著な例だ。
この料理ばかりは鳥や牛ではだめで絶対に豚。
第一、酢鳥や酢牛ではネーミングからして
締まらないことはなはだしい。

ローストはチキンとビーフが甲乙つけがたい。
チキンならばビールで一向に構わないけれど、
ビーフとなると赤ワインがほしくなる。
牛肉はビーフステーキよりもローストビーフが好き。
切り方は厚めのニューヨークカットではなく、
薄いのが2枚のイングリッシュカットがよい。
ホースラディッシュ(西洋わさび)と
クレソンをたっぷり添えて賞味したい。

生姜焼きは豚の独壇場。
中でも三枚肉(バラ肉)にトドメを刺す。

バーベキューや焼肉が典型例の網焼きは
基本的に材料を選ばないものの、
豚だけは少々、分が悪いのではなかろうか。
豚肉自身よりソーセージやベーコンのほうが向いている。

もつ焼きは何てったって豚と鳥だろう。
煮込みなら牛もつもOKだが、焼き物には向かない。
レバーは豚・鳥、どちらも花マル。
ハツは鳥が一枚上手で、ナンコツとなると豚だ。
ほかに特筆モノでは豚にシロ、オッパイ、仔袋があり、
鳥には砂肝、せせり(首肉)、ちょうちん、ボンジリがある。

今回はとあるフランス料理店における
仔牛と仔羊の対決を綴るつもりが
例によって前フリが長くなった。
今しばらく、おつき合いくだされ。

           =つづく=

 
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2009年7月15日(水

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