第794回
麻布十番のカリスマ焼き鳥
昨年の秋にも紹介した麻布十番「世良田」。
東京で三本の指に入る焼き鳥の名店は
なかなか予約の取れないカリスマ性を持つ。
今回再び取り上げるのは直近の訪問で
門外不出だった当店の焼き鳥たちの
スナップを撮ることができたからである。
何はともあれ、とくとご覧いただきたい。
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まずは「お好み」の品書きから
photo by J.C.Okazawa
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定席となったカウンター左手に四人で陣取った。
J.C.が座るのはいつも左端で、この位置だと
焼き手である店主の手元がよく見えるのだ。
ハートランドの生で乾杯後、
直ちに赤ワインのラングドックを抜栓してもらう。
突き出しは藻貝(さるぼう貝)の木の芽添え。
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岡山名産の藻貝は赤貝の小型版
photo by J.C.Okazawa
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これが大きく育ってくると、
回転寿司あたりでは赤貝の代用品として使われる。
韓国でもポピュラーな貝で
女性たちが干潟に繰り出して獲るという。
うずらの玉子を落とした大根おろしはこの店の定番。
さっそく本わさびの利いた鳥わさと
新香の盛合わせをお願いした。
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色とりどりのお新香
photo by J.C.Okazawa
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いささかも手抜きの見られない陣容に
早くも炊き立てのごはんがほしくなるくらいだ。
お待ちかねの焼き鳥は、もも肉ねぎまでスタート。
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プリプリのもも正肉はタレで
photo by J.C.Okazawa
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実をいうと、この店一番のお気に入りはコレなのだ。
お次はナンコツ入りの団子。
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こちらは塩で味わう
photo by J.C.Okazawa
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団子(つくね)は店によってコリコリタイプと
ジューシータイプに分かれる傾向にあるが
「世良田」は前者の途(みち)をゆく。
ハツ・レバー・フォワグラをまとめて打った
一串(タレ)はもっとも人気のある商品の一つ。
コレ目当ての客が引きも切らない。
香り高い粉山椒をササッと振って頬張ると
誰もが笑みをこぼすこと間違いナシ。
稀少部位のせせり(首肉)は塩で。
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独特の食感が歯に心地よい
photo by J.C.Okazawa
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歯を軽く押し返す弾力を存分に楽しむことができた。
あとはずっと塩でいただいた。
合鴨ねぎま・砂肝・うずら玉子と食べ継いでいく。
その次の皮身が赤ワインとみごとに同調した。
そして締めくくりの一串が竹の子である。
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糸がきと木の芽をたっぷり盛って
photo by J.C.Okazawa
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こうなると日本酒がほしくなるのも道理。
そこを何とか我慢の子に徹する。
本来は最後に小さなそぼろ丼か
茶漬けをいただくのだが
なぜか当夜は腹十分目。
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充実の食事メニュー
photo by J.C.Okazawa
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品書きを眺めてはみたものの、
結局はギヴアップと相成りました。
【本日の店舗紹介】
「世良田」
東京都港区麻布十番1-7-7はせべやビル5F
03-3405-2882
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