「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第796回
出来合い天ぷらの野菜天丼
 =男の手抜き料理シリーズ第11回=

世は夏休みの真っ只中。
夏大好き人間のJ.C.はわが世の春ならぬ、
わが世の夏を満喫している。
夏を苦手とする向きは食欲も減退し、
夏痩せのシーズンと相成るわけだが
こんなときこそスタミナをつけなきゃいけませんぞ。

そこで今回の「男の手抜き料理シリーズ」は
夏バテを防止しながらフトコロをも防禦する廉価な一品。
しかもすこぶる簡単で男の手抜き料理の極め付きである。
名付けて、出来合い天ぷらの野菜天丼。
またの名を、かき揚げ崩し丼という。
もっともそんなに美味しいものではないけれど・・・。

用意するのはまずかき揚げが一つ。
コロモが多い玉ねぎやにんじんの天ぷらでも諒としよう。
ピンはデパ地下の有名店のものから
キリはスーパーのセルフサービスまで
好みと予算に合わせて買い求めればよい。
無理して海老や小柱入りの高級品を
買うことはありませんぞ。

夕食のおかずにベターハーフが
揚げてくれた残りでもいっこうに構わない。
もしも貴方がマスオさんなら
お義母さんをおだてて揚げてもらうとよい。
昔の女性はお盆になるとよく、
精進揚げを揚げに天ぷら鍋の前に立ったものだ。

それでは、アラ・キュイジーヌ!

(1)鍋に醤油・砂糖・日本酒を煮立て丼つゆを作る。
   味付けは通常よりやや濃い目に。
   かき揚げを落とし入れて好みの柔らかさに煮る。

(2)その間に熱したフライパンに胡麻油を薄く引き、
   天ぷらに適した野菜を軽く炒める。
   ここは胡麻油でないと風味豊かな天丼にならない。
   なす・にんじん・ごぼう・いんげん・絹さや・
   ピーマン・しし唐・玉ねぎ・しいたけ・蓮根・
   春菊・みょうが・かぼちゃ・さつま芋、何でもよし。

   (天ぷらのときと同様に、なすは二つか四つ割り、
   にんじん・ごぼうは千切り、かぼちゃ・さつま芋は
   薄切りを軽くチンして水気を拭き取ってから)

(3)炊き立てのごはんをどんぶりによそい、 炒めた野菜、
   煮たかき揚げ、 丼つゆの順に盛り付けておしまい。

どうです? 簡単でしょ?
たとえデパ地下の高級品でも
天ぷら、殊にかき揚げのコロモの多いのには
どなたも閉口した覚えがあるでしょう。
この天丼は余分なコロモを逆手にとって活用する裏技だ。

この裏技にはそのまた裏があって
給料前の苦しいときには
百円玉1枚で山ほど買える揚げ玉を使う。
店によっては揚げ玉無料のところすらあろう。
かき揚げの代わりに揚げ玉をサッと煮て
炒め野菜の上から掛け回す。
味にさほどの期待はできないが
とにかく栄養満点にしてビタミンと植物繊維が豊富。
何よりも予算は限りなくタダである。
ただし、これを「出来合い天ぷらの野菜天丼」とは呼べない。
この場合は「大貧民の野菜天丼」という。
「これじゃ、あまりにもわびしいよぉ!」
そうお嘆きの方は桜海老、
あるいはちりめんじゃこでも散らしてみてはいかが?

 
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2009年7月22日(水

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