「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第798回
本わさびのススメ

読者の中には
「また本わさびのハナシかよ〜っ!」と
食傷気味の方もおられるだろう。
そこを忍んでおつき合い願いたい。
この季節、冷蔵庫にホンモノを1本蓄えておくと、
食生活が充実すること間違いナシですぞ。

最近は大衆的なスーパーでも
本わさびを販売するようになった。
浅草は雷門前の「オオゼキ」なんか、
500円に満たない廉価版と
1000円に近い高級品の二本立てで
置いているから立派なものだ。

駅前に大型鮮魚店「魚寅」を控える
錦糸町の「西武」では逆に本わさびが見当たらない。
かつて池袋の本店は東京の食シーンをリードするほどの
食料品売り場を誇っただけに、一抹の寂しさを残す。

本わさびの効能を述べてみたい。
おろし立てを添えると、生モノが劇的に美味しくなる。
香り高く、キレ味鋭く、それこそ激変するのである。
今の季節なら、こち・すずきの刺身や洗いにもってこい。
あじ酢・小肌酢はもちろんのこと、
きす・春子も本わさびによって清冽感が倍増する。
ひかりモノとわさびの相性はすこぶるよろしい。

本来は生姜のほうが好まれる、いか・あじでさえ、
J.C.はわさびでいただくほうが好きだ。
強いて言えば、かつおだけはわさびより生姜かな。
もっともかつおの場合は何てったってニンニクだ。

昨秋以来のリセッションの折も折、
そうそう自宅で刺身は食べられないと
お嘆きの向きは蒲鉾を1本買い求められたい。
薄く切ったり、厚めにしたりして食感を変えながら
おろし立てをたっぷり添えると
下手な蕎麦屋の板わさなんぞ、もう食えませんぞ。

日本そばはもとより、そうめんだって本わさだ。
このとき、麺つゆは生姜のときより濃いめにするのがミソ。
最近、TVのコマーシャルで紹介されている
永谷園の冷やし茶漬にも
わさびをチョコンと乗せるだけで風味が一段と増す。

ほかに本わさびとの相性がよいものとして

 胡麻豆腐・焼きはんぺん・山芋千切り・
 いくら醤油漬・もずく酢・ささみ三つ葉

などが挙げられる。
きゅうりのスライスにもわさび醤油がよく合うし、
辛子の代わりにところ天に添えるのもオツなものだ。

扱い方は、葉を取り除いたら
葉のあったほうからおろし始める。
できれば鮫皮のおろし板を使いたい。
保存法は、大きめのグラスに水を張ってその中に沈め、
毎日こまめに水を替えて冷蔵庫に置くと半月は持つ。
小さなものでもよいから一家に1本常備すれば、
一服の清涼剤になること請け合いである。

 
←前回記事へ

2009年7月24日(金

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ