「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第819回
軽井沢の帰り道(その2)

軽井沢でよく飲み、よく食べ、
よく打った(ゴルフじゃないよカードだよ)帰り道、
群馬県・富岡の町に立ち寄った。
世界遺産の登録を目指している旧富岡製紙場の見学後、
町の食堂「富士屋軽喫茶店」に総勢8名が乗り込み、
みんなで壁の品書きを見上げている。

中華そば ・・・・・ 500円
五目そば ・・・・・ 650円
ワンタンメン ・・・・・ 600円
ヤキソバ ・・・・・ 500円
冷やしそば ・・・・・ 650円
カレーライス ・・・・・ 700円

ポピュラーなメニューをザッと並べてみた。
ごはんモノはカレーライスがあるだけで
この手の店にありがちなカツ丼・親子丼はない。
日本そば・うどんの類いも見当たらなかった。

こういう店のフツーの中華そばは当たりのことが多い。
今どきの若者が好むラーメンと対極にありながら
人生の黄昏どきに差し掛かった人間の胃と心には
やさしく染み入ってくれるラーメンが
こういう場所にひっそりとあるのである。

やれ煮干しだ、やれ豚骨だのと、
濃厚な出汁がもてはやされる昨今の風潮には
違和感を禁じえない。
ここ数年のつけ麺ブームなど、
それ以上に理解に苦しむ。
どこで食べてもちっともうまいと思わないが
ちょいとした人気店はいずこも長蛇の列。
1時間も並ぶヒマがあったら
若いうちに勉強しとくもんだ。
それにしても忌まわしきつけ麺というヤツ、
ほとんどのヤンガー・ジェネレーションは
味もさることながら、ありゃ量で食ってるね。
あのボリュームであの値段は
食べ盛りにはたまらない魅力なのだろう。

品書きにスープソバ(550円)というのを見つけた。
お店のおネエさんに、ケ・ス・ク・セ? と訊ねると
他店のタンメンのことだという。
ここでJ.C.、しばし思案の子となった。
一期一会となる可能性の高いこの「富士屋」、
やはりオーソドックスに中華そばで行っとこう。
ラーメンと名乗っていたならいざ知らず、
わざわざ中華そばを謳っているんだもの、
看過してはせっかくの中華そばが不憫だ。

待つこと10分。
想像した通りの中華そばが現れた。

どんぶりの雷文模様のがいかにも
photo by J.C.Okazawa

ナルトがうれしい、タップリのシナチクもうれしい。
麺・スープ・具材、三拍子揃った中華そばに拍手喝采。

そしてまたまたうれしいことに
目の前に座ったK木のGチャンが
ワンタンとヤキソバを注文。
ご相伴にあずかると、ワンタンはマル、
ヤキソバは花マルではないか。

キャベツ・青海苔・紅生姜が三位一体
photo by J.C.Okazawa

昭和三十年代の駄菓子屋のお婆ちゃんが
作ったどんどん焼きみたいな味がした。
すっかり富岡の町が好きになったJ.C.である。


【本日の店舗紹介】
「富士屋軽喫茶店」
 群馬県富岡市富岡1072
 0274-62-0752

 
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2009年8月24日(月)

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