「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第834回
意外と飽きない親子丼

月刊誌「めしとも」のミッションで
このところ同じものを繰り返し味わう機会が増えた。
チェーン店のうな丼(8月号)を皮切りに
ファミレスのハンバーグ(9月号)、
築地場内のにぎり鮨(9月号)、
喫茶店のナポリタン(10月号)と
様々な企画が矢継ぎ早やである。

どんな料理でも重ねて食べ続けるのはツラい。
とりわけチェーンのうなぎはシンドかった。
好きな鮨でさえ苦しいし、
ナポリタンは心底飽きてしまい、
あのケチャップ色が「赤い悪魔」に見えてくるほど。

最近は神田と京橋をそれぞれ自分の
ホームグラウンドにしているブロガーさんお二人と
推奨ランチ対決(10月号)なんて、奇抜な企画もこなした。
現在は「ハレの日に使える高額洋食店」をターゲットに
銀座・日本橋・浅草界隈に夜毎、出没している次第だ。

今からおよそひと月前。
「週刊現代」の「今週のうまいもの番付」で
親子丼を格付けするため、都内各地を食べ歩いていた。
このとき感じたのが親子丼は連荘が利くということ。
思いのほか食べやすいというか、飽きがこないというか、
わりとすんなり胃の腑に収まってくれて、ありがたい限り。
これがもし天丼だったら、とてもこうはいかないだろう。

考えてみれば玉子って
毎日食べてもそんなに飽きのくるものではない。
生玉子でも玉子焼きでも、
あるいはオムレツやベーコンエッグでも
朝食に限れば、それこそ洋の東西を問わず、
広く世界の人口に膾炙(かいしゃ)しているのがその証左。

そこで、いずれも十傑に選出した四つの親子丼を紹介する。
初っ端は旧連雀町の「神田まつや」。

もみ海苔がいかにもそば屋の親子丼
photo by J.C.Okazawa

親子の割り下にそばつゆを応用できるそば屋は強い。
もも肉は見当たらずに胸肉だけだが
火の通しが上手で
おいしい親子丼の「一丁あがり〜っ!」である。
加えて玉子豆腐の吸い物も秀逸だ。

お次は「鳥つね自然洞」出身の主人が
茅場町に開いた「鳥ふじ」。

「鳥つね」ゆずりのもつ入り親子丼
photo by J.C.Okazawa

もも肉・胸肉・レバーが入っている。
鳥団子の小鉢はうれしいのだが、
親子と同じ甘辛味では箸休めに不向き。
一考あられたし。

再びそば屋の親子丼は三越前の「利久庵」。

海苔の雲間から顔を見せたま〜るい大きなお月さま
photo by J.C.Okazawa

ここも使用するのは胸肉のみだ。
そば屋は酒のつまみの焼き鳥で
もも肉を使い切ってしまうからだろう。

4軒目は博多の水炊き専門店「新三浦」が
築地で経営する「新三浦ガーデン」。

玉子とろ〜り親子は近所のOLさんの人気の的
photo by J.C.Okazawa

この店はご覧の親子のほかに
重ね弁当なるランチメニューが自慢なのだ。
親子丼以上の推奨品で一度食せば、
博多の老舗の底力に脱帽すること請け合いである。


【本日の店舗紹介】その1
「神田まつや」
 東京都千代田区神田須田町1-13
 03-3251-1556

【本日の店舗紹介】その2
「鳥ふじ」
 東京都中央区日本橋茅場町3-4-6本橋ビル2F
 03-3249-6118

【本日の店舗紹介】その3
「利久庵」
 東京都中央区日本橋室町1-12-16
 03-3241-4006

【本日の店舗紹介】その4
「新三浦ガーデン」
 東京都中央区築地1-8-1
 03-3541-0811

 
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2009年9月14日(月)

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