第863回
カレー食えど 鐘の鳴らない 浅草寺
去年の師走のこと。
浅草のたぬき通りにできた「KORMA」なる
インドカレーの店を訪れた。
開業はその半年前だから何度も通っており、
店の存在にはとっくに気づいていた。
気づいてはいたけれど、浅草という町において
カレーはあんまり心惹かれる食べものではない。
「カレーかァ、そうねェ、何だかなァ」――なのだ。
前々日、前日と和食が続いたために
その日はカレーが食べたくなり、「KORMA」に直行。
こだわり居酒屋でもないのに1種類しかないビールが
サッポロラガー、世に言う赤星なのが喜ばしい。
ビールの合いの手にはピクルスを所望。
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油で揚げたパパドに入って登場
photo by J.C.Okazawa
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ピクルスというよりも、さいの目サラダという感じ。
トルコ料理の羊飼いのサラダを偲ばせる。
骨付きジューシー・スパイシーチキンなる
字余りメニューはタンドゥーリチキンの代用品か?
要するにこの店にはタンドゥーリ窯がないのだ。
熱い鉄板の上でジュージューいいながら運ばれたが
マリネするソースが一緒でも
やはり普通のタンドゥーリチキンのほうがよい。
それでも看板通りに鶏もも肉はジューシーだった。
仕上げは鶏胸肉&じゃが芋入りのカシミールカレー。
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サラサラのソースはJ.C.好み
photo by J.C.Okazawa
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メニューの料理名の横に唐辛子が5本も
描かれていただけあって、かなりの辛さである。
有名な湯島の「デリー」にとてもよく似たタイプ。
ジャポニカ米のライスともどもおいしくいただく。
ランチタイムに久しぶりの再訪。
蔵前在住の友人を誘い、2人で出掛けた。
サッポロ赤星のグラスを合わせ、
注文したのはセットランチのターリ(950円)と
店名を冠したコルマカレー(850円)。
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盛りだくさんのターリ
photo by J.C.Okazawa
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2種のカレーはバターチキンとインドカレーだ。
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ギットリ感が本場風のコルマカレー
photo by J.C.Okazawa
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どちらも満足のいくランチミールであった。
ただし、バターチキンとインドカレーは
ともに酸味が相当に強い。
ターリの内容は2種のカレーのほかに
チャパティ・キャベツサブジ・
スパイシーチキン・ミニサラダ・ヨーグルト。
ライスはエクストラで200円だったかな・・・。
ライスはともかく、インドパンというのがあって
試しにナン代わりのつもりにお願いしてみると、
やっぱり窯で焼かなきゃ駄目でこれは失敗。
しかもチャージが520円とは、泣きっ面に蜂である。
適正価格は200円でしょうが。
12月の夜も9月の昼も、カレーは食ったが
浅草寺の鐘はいっこうに鳴る気配すらない。
それも道理で弁天山の鐘楼の鐘は日に一度だけ、
午前6時に時を告げるのである。
【本日の店舗紹介】
「KORMA(コルマ)」
東京都台東区浅草1-16-7
03-3844-5203
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