「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第864
駅弁を売り出した「たいめいけん」

ただ今発売中の「めしとも」11月号は洋食特集。
おかげで先月は洋食三昧の日々を過ごしたが
木梨憲武による“麦搾り”のCMじゃないけれど、
洋食もまた毎日々々、続けて食うと
かなりのシンドさを伴うものであったのだ。

「ハレの日の高級洋食店」だとて同じことである。
いや、むしろ気の置けない店で
カレーライスや海老フライを連食するほうが
ずっとラクであったろう。
ミッションにおける必食科目は
かにクリームコロッケ・ハンバーグ・
ビーフシチュー・オムライス・ハヤシライスあたり。
店によってはここにビーフカツやポークカツ、
あるいはマカロニグラタンを付加するのだから
食後はいつもお腹がパンパン。
新漢方胃腸薬やパンシロンのお世話にならなかったのが
不思議なくらいだった。

日本橋の「たいめいけん」も取材対象になった1軒。
昼めしどきになると、向かいの「ますたにラーメン」と
行列の長さを競い合っているが
行列は1階レストランのためで
2階には航空機でいう、ビジネスクラスがある。
近隣企業のパワーランチには使い勝手がよい。

口溶けの悪いコールドコンソメは別として
ハンバーグと海老のグラタン、
それにオックステールシチューが二重丸。
ハンバーグなど、最近は粗挽きが好まれる傾向だが
J.C.はこの店の比較的キメの細かいタイプが好き。
これはウインナー・ソーセージにもいえることで
20年ほど前だろうか、粗挽きが流行りだしたら
従来の細挽きはアッという間に駆逐されてしまった。
どうもこの国の国民は一億徒党を組んで同じ方向に
急ハンドルを切る悪癖があるように思えてならない。

J.C.はそばも汁粉も田舎よりは御前を好む。
ツブ餡よりコシ餡が好きなのだ。
餡子なんて好きずきだからどうでもいいが
女性の肌だけは肌理(きめ)のこまかいほうがよい。
鮫肌よりも断然、もち肌でしょう。

総じて「たいめいけん2F」の料理はよかった。
くだけた雰囲気の1Fも捨てがたい。
料理だってじゅうぶんにおいしくいただける。
この空間でビールと一緒にポークカツを食べるとき、
東京の片隅の(いや、ど真ん中か)一庶ミンとして
ささやかな幸せを感じてしまう。

数日後、東京駅の構内で偶然、
「たいめいけん」の駅弁を発見。
いったいいつから売り出したのだろうか。
掛け紙に惹かれ、つい衝動買いに走ってしまった。

購買意欲を誘う掛け紙
photo by J.C.Okazawa


中身も「たいめいけん」らしい
photo by J.C.Okazawa

用もないのに東海道本線の列車に乗り込み、味わった。
千円の価格を考慮して満足度は八分目。
ここに小さなオムレツが加わると量的満足感が得られ、
視覚的にもより美しいものに変化するだろう。
タンポポオムライスに象徴される「たいめいけん」には
やはり“幸せの黄色いオムレツ”がよく似合うのである。


【本日の店舗紹介】
「たいめいけん」
 東京都中央区日本橋1-12-10
 03-3271-2464
 ※駅弁はJR東京駅構内

 
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2009年10月26日(月)

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