「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第866回
横浜にも下町がある(その2)

横浜に到着後、電車を乗り換えて一つ先の桜木町へ。
駅の北東には近未来的なみなとみらい、
南西には昭和の匂いを残す野毛町が拓けている。
この日は夕方から高校同期の飲み仲間が集まり、
大衆的な中華料理屋で小宴を張る予定。
日本で始めて焼き餃子を品書きに載せたという老舗、
「萬里」に行くつもりでいる。

横浜まで遠征するなら晩めしだけではもったいない、
昼めしもやっつけるために一足早くやって来た。
前日には横浜市在住の友人・S山サンに一声掛けて
食事の相方を約させてもいるから体勢は万全。
駅前のブリーズベイホテルで待合わせ、
さっそく向かったのが野毛坂の洋食店「KIKUYA」。

洋食店といっても実質はカレー専門店に近い。
ここではカレーではなくカリーを謳い、
多種多様なカリーのほかには
シチューが3種類にグラタンが4種類、
そして、タバスコが要らないチーズ多めのサラミピザが
あるだけである。
ちなみに長ったらしいピザの名前はそっくりそのまま、
メニューに記載されてある通り。
ここからも店のアルジが一筋縄ではいかないことが
容易に推測されるというものだ。

カリーは、チキン・ビーフ・豚バラ・野菜・
ハンバーグ・シーフードと6種類あり、
それぞれに、バターマサラとスリランカキーマが
チョイスできるようになっている。
スパイシーなスリランカキーマに
生クリームとトマトを加え、
マイルドにしたのがバターマサラである。
あとはタイ風カリーが2種類。
牛バラのレッドカリーとシーフードのグリーンカリーだ。

S山サンと協議の結果、
チキンのマサラと豚バラのスリランカに決定。
豚肉を食さぬインドでポピュラーなチキンと
仏教国スリランカでは食べられているポークを
お国柄を考慮して選択してみた。

最初にキャベツとレタスのサラダが供された。
下にポテトサラダが隠れており、ボリューム十分。
2〜30分は経ったろうか、2種のカリーが同時に運ばれた。

黄色いスリランカキーマ
photo by J.C.Okazawa


赤みを帯びたバターマサラ
photo by J.C.Okazawa

ともに香菜が添えられ、
ソースの中には玉子が丸一個落とされていた。
そして冷凍野菜だろうか、蓮根・いんげん・ブロッコリーに
缶詰だろうか、フクロ茸も投入されている。

1人前が2人分はありそうなビッグポーションを
四苦八苦しながら完食したけれど、
このレベルのカレーならぬカリーならば、
都内には相当数の店舗が存在すると思われた。
夜のために節制したJ.C.のあおりを食らって
頑張りすぎたS山サンがグッタリと無口になっている。
「すまなかったね」――口には出さず、心で詫びました。

                =つづく=


【本日の店舗紹介】
「KIKUYA」
 神奈川県横浜市中区野毛4-173
 045-231-0806

 
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2009年10月28日(水)

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