「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第877回
買ってきました ひらめとまぐろ(その2)

御徒町駅前の「吉池」で調達したひらめとまぐろを
本わさびで堪能したものの、
やはり量が多くてともに3分の1ほど残った。
翌日の木曜日は荻窪方面に取材に出掛ける予定だから
自宅で夕食は取らない。
取りはしないが、腹八分目で帰宅して
一杯やるのも悪くないアイデアである。

食器を洗いながら考えた。
さてどうしたものか。
もちろん、ひらめとまぐろ・・・このことである。
かくしてひらめは昆布〆、まぐろはづけにすることに。
ひらめは塊りのまま酒で湿らせた利尻昆布に包み込む。
まぐろの赤身は山かけにするつもりだから
賽の目を生醤油と日本酒の下地に漬け込む。

翌日の昼は駒込の「ホワイト」なる喫茶店でナポリタン。
飲み友だちのO堤サンからの情報を元に訪ねたのだ。
この店のことは日をあらためて紹介しよう。
食後のアイスティーを飲んでいると、
夜の取材の相棒からリスケの電話が入る。
これは思わぬ僥倖で、今宵も日本シリーズが楽しめるぞ。
わが家の冷蔵庫では、ひらチャンとまぐチャンが
待っていることでもあるし――。

店を出ると数軒先の並びにスーパーが1軒。
ひときわ色鮮やかなクレソンに目を惹かれ、買い求めた。
クレソンともっとも相性のよい食材は牛肉だ。
今宵は奮発してフィレステーキを焼くことに決めた。
にんにくとイングリッシュマスタードでやるのだ。
普通は牛肉のためにクレソンを買うのだが
J.C.はクレソンのために牛肉を買ったことになる。
近所のスーパーで購入した牛肉は
ふくしま煌牛(きらめきぎゅう)という銘柄。

これが今宵のメインディッシュ
photo by J.C.Okazawa

どうせ乗り掛かった船のこと、
ワインも贅沢してシャンピーの
ペルナン・ヴェルジュレス・プルミエ・クリュ‘04年だ。

この畑はJ.C.の大のお気に入り
photo by J.C.Okazawa

一晩置いた、ひらチャン、まぐちゃんはこんな感じ。

輪ゴムでしばられて上海蟹みたいな昆布〆
photo by J.C.Okazawa


山芋は濃厚な大和芋を買ってきた
photo by J.C.Okazawa

グラスにビールを注ぎ、「いただきまあす!」の第一声は
ほとんど第5戦の「プレイボール!」と同時刻。
ひらめ昆布〆は前夜の刺身をしのぐおいしさだ。
山かけも粘りの強い大和芋のおかげで箸でつまめるほど。
いやはや、二夜連続でたまりませんな。

さて、メインディッシュは
メイクイーンの新じゃがのフリット、
絹さやのソテー、生のクレソンと脇役は完璧なれど、
フランベ用のブランデーが切れていた。
ふと思って代わりにアブサンを使ってみると、
風味がしっかりフィレ肉にまとわりつくではないか。
マスタードをイングリッシュからフレンチに切り替え、
相性を整えておいてからじっくりと楽しんだ。

ペルナン・ヴェルジュレスのボトルが空になる頃に
阿部慎之助のサヨナラ本塁打が飛び出して
メデタシ、メデタシの夜は更けゆく。

 
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2009年11月12日(木)

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