「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第884回
やってしまったWブッキング

ここしばらく犯したことのないWブッキングを
久々にやらかしてしまった。
おいしいものがあるところなら
どこへでも出掛けてゆくJ.C.のこと、
様々なワイン会やグルメ会のメンバーにもなっている。
それがつい先日、勘違いから
今年発足した「SKYAMKOクラブ」と
10年以上続いている「煩悩の会」に
ダブッて参加の連絡を入れてしまった。
まさに
 勘違い こたつで母の 手をにぎり
をやっちゃったのである。

仕方なく「SKYAMKO」には1時間ほど顔を出したあと、
「煩悩」が開かれている赤坂見附の
スウェーデン料理店「ストックホルム」へ回った。
この店は以前、六本木・芋洗坂下にあった
スウェーデンセンターの1階で開業していた。
訪れたのはかれこれ27〜8年前のことになろうか。
今回の幹事のF田クンから開催場所の打診があったとき、
懐かしさに後押しされて、もろ手を挙げて賛成した次第。

北欧のビュッフェスタイルであるスモーガスボードは
バイキング料理として主に日本のホテルに普及した。
確か昭和30年代の初めに帝国ホテルが
取り入れたものと記憶している。
1971年の春、初めてストックホルムを訪れた際、
地元の料理学校が経営するレストランで
本場のスモーガスを味わったことがある。
途中、経由してきたソ連の食事情が悪かったこともあって
天国で食事をしているような気になったものだ。

レストラン「ストックホルム」もスモーガス専門店。
第一の皿にはまず4種類のにしんのマリネを盛付けた。
北欧やオランダではにしんの酢漬をよく食べる。
ロシア料理になくてはならないセリョートカも同じもの。
それぞれにワインやマスタードや
サワークリームでマリネされており、
生臭みなど微塵もない仕上がりに二重丸をつけたい。

続いてはスウェーデンの晩夏の風物詩、ザリガニである。

愛らしいザリガニはしっとりとした食感
photo by J.C.Okazawa

冷凍品ではあろうが、特有の風味がほのかに残っている。
それよりも食べる部分が少ないのが残念だ。
付合わせたディルとポテトサラダと一緒にモグモグとやった。

ほかには、甘海老のボイル、真鱈のスモーク、鮭のスモーク、
グラヴラックス(鮭の塩漬)、いくら&クラッカー、
にせキャヴィアとゆで玉子、鴨ロースと豚バラ肉の冷製、
コールドビーフ&クレソンなど、冷たい料理中心に食べ継ぐ。
ロシア料理のザクースカ(冷製前菜)同様に
ウォッカやアクアヴィットなど、
透明で度数の高いスピリッツを好む国の人々は
冷たい料理をその酒の肴として選ぶことが多い。
さすがにローストビーフは温かいほうがうれしくとも
これはこれで楽しめぬことはなかった。

温製料理はスウェーデン名物のチェットブーラーを2種類。
これは中華のそれよりも一回り小さい肉団子のこと。
煮込みにはヌイユ(平打ちヌードル)、
揚げ団子にはリンゴンベリー(コケモモの1種)のジャムを
それぞれ添えておいしくいただいた。
若い頃、ストックホルムのレストランで
皿洗いの経験のあるJ.C.にとって
リンゴンベリーは甘酸っぱい青春の思い出の味なのである。


【本日の店舗紹介】
「ストックホルム」
 東京都千代田区永田町2-14-3赤坂東急プラザ1F
 03-3509-1677

 
←前回記事へ

2009年11月23日(月)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ