「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第885回
伝説の焼きとん屋(その1)

若者を中心にホルモン焼きやもつ鍋が人気である。
殊に1度ブームになったものの、
急速に人気を冷ましたもつ鍋が復活を遂げて
生き残っている現象は非常に興味深い。
もつ好きの身としては喜ばしいことだと思っている。

もつに関してはもつ焼き、
それも豚もつを焼いた焼きとんが好きだ。
焼きとんの主要6部位は
シロ・レバー・ハツ・タン・カシラ・ナンコツだろう。
初めの2つはタレと合い、残りは塩がよろしい。
塩焼きには合わせて練り辛子を塗るのもよい。
また、カシラは味噌との相性が抜群で
東武東上線・東松山など、カシラ辛味噌ダレの一大タウンだ。

東松山と比して、グッとその数を落とすが
横浜・横須賀あたりで散見される満洲焼きなる一品も
実は豚のカシラの味噌漬を串焼きにしたもので
なかなかのおいしさを誇っている。
今月初旬、横浜・野毛町の「庄兵衛」にて
元祖満洲焼きを味わったから
近々、このコラムでも紹介したい。

そろそろここで本日の主役にご登場を願おう。
念願がかない、伝説の店「米山」を訪れることができた。
ツレは赤ちょうちんフレンドのW辺サンである。
この人は出だしの調子がいいものの、
途中ですぐに落馬して、深いネムリについてしまう。
とにかく常に立ち上がりの1時間が勝負なのである。

18時15分の開店より45分も早く店に到着。
一回り目のおよそ30席に滑り込んでいないと、
2時間半は待たされる地獄のような焼きとん屋につき、
これは致し方のないこと、備えあれば憂いなしなのだ。
この時点でJ.C.の前には女性同士の2人連れと
カップル1組の計4人が並んでいるだけ、
これなら楽勝である。

「米山」は露地をちょっと入ったところにあるが
この露地が映画のセットを彷彿とさせる。
居酒屋「一枝」・「おふくろ」、田舎料理「まる重」、
小料理屋「ふじ」・「純子の店」、
スナック「MIYO」などが肩を並べて寄り添っている。
「米山」の真ん前に「かどや履物店」があり、
ぼんやりと品揃えを眺めていると
雪駄(せった)がやたらに安い。
自宅ではスリッパ代わりに雪駄を履くので
今のが痛んだら、買いに来るとしよう。

そうこうするうち相棒が現れた。
ときに17時45分。
行列はおよそ20人近くになっており。
18時にはそれが30人に延びたのだった。
一回り目はこのあたりが限界だろう。
ということは開店ちょうどの18時15分に
おっとり刀で到来した客が入店できるのは
20時半を過ぎてからということになる。
いやはや大変な店ですよ、「米山」は!

ただし、幸か不幸か、かつての一大軍都・赤羽には
ほかにも焼きとん、あるいは煮込みの名店が目白押し。
「米山」がだめならヨソへ回って
後日再びチャレンジすればよいのである。

         =つづく=

 
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2009年11月24日(火)

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