「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第894回
14年と4ヶ月前

10日ほど前のこと。
ドル円相場が14年4ヶ月ぶりに84円台をつけた。
14年と4ヶ月前となると1995年7月である。
その頃ニューヨークにいたことは間違いないが
どんな生活を送っていたのか思い出してみたくて
ダイアリーを引っ張り出した。

ふむふむ‘95年7月は、月初1日の土曜日から
週末の土・日は2週間に渡り、4連続でゴルフだ。
自分がメンバーのハワース・カントリーで
4日ともプレイしている。
スコアは95、98、93ときて
2週目の日曜には1.5ラウンド回った。
その日は51・52・53とタタいて
めまいがするほど大量のチョコレートを配りまくっている。
エッ? どのくらいヤラレたのかって?
う〜ん、自慢じゃないけど
7〜8人で銀座「ロオジエ」の晩餐に出掛けたくらい。
それもそこそこの高級ワインを4本ほど抜いてね。
I become depressed whenever I think of that Black Sunday.
チッ、忘れてたのに為替相場のせいで思い出しちゃった。

話題を食べものにチェンジ。
その月の夕食はイタリアンが多かった。
「イル・トスカナッチョ」・「ラ・トラヴィアータ」・
「ココ・パッツォ」・「ハリー・チプリアーニ」に行っている。
ほかにはスパニッシュの「ソレラ」と「エル・ファーロ」、
スウェディッシュの「クリスターズ」、
アメリカンの「グレンジ・ホール」、
スリランカンの「タプロバネ」に
和食の「いろは」と「天海」、鮨の「寿司田(でん)」、
東京に支店のある和洋折衷の「Nobu」を訪れている。

フレンチが見当たらないのは月央に10日ほど
パリに旅行したためだ。
パリでは三つ星レストランをかなり回った。
「リュカ・カルトン」・「タイユヴァン」・
「ランブロワジー」・「トゥール・ダルジャン」。
ほかにも「ジュール・ヴェルヌ」・「ローラン」・
「ル・トラン・ブルー」・「オ・コション・ドール」と
ほとんどフレンチ漬けの日々。
まっ、当たり前のことですわな。

目先を変えてヴェトナミーズの「タン・ディン」、
アルジェリアンの「ティンガ」、和食の「衣川」などへも。
どの店も口福をもたらしてくれたが
ヒドかったのは24年ぶりに出向いた
「オ・ピエ・ド・コション(仔豚の足)」。
初回は食肉市場がまだレ・アールにあった1971年で
J.C.の舌も今ほどには驕っていなかったのだろう。
とにかくこのときの“海の幸盛合わせ”が最悪。
名物のオニオングラタン・スープや
仔豚の足のグリルも前回ほどではなく、
川鱒のムニエルにもピンとこなかった。

逆にパリ滞在中のベストは断トツで「タイユヴァン」。
花マル料理は4皿もあった。

 オマールのブーダン
 ルジェ(赤ひめじ)のア・ラ・ナージュ
 子鳩のロティのベカス風
 白桃とヴェルヴェンヌのファンタジー

その「タイユヴァン」も今は2ツ星に格下げされた。
メニューをおねだりしたら厨房からシェフを呼び寄せ、
サインを連記してくれたオーナーのヴリナさん、
さぞや草葉の陰で嘆いておられるに違いない。


【本日の店舗紹介】
「Taillevent」
 15,rue Lamennais, 75008 Paris, France.
 01 44 95 15 01

 
←前回記事へ

2009年12月7日(月)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ