「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第895回
カナダからのワイン

1ヶ月前に開催した入谷「鳥昭」での「下町を食べる会」に
カナダから参加された奇特な方がおられた。
I野口サンとおっしゃる女性で
会にはすでに何回か参加されたT須賀サンのお友だち。
そのよしみで急遽、駆けつけてくれたのだ。

話は飛ぶけれど、J.C.がカナダを訪れたのは1度きり。
1988年8月の夏にニューヨークからクルマで行った。
ブロードウェイ55丁目の自宅を出て
ナイアガラまでの464マイルを
愛車ホンダ・プレリュードで疾走すること8時間半。
休憩がお茶の30分とランチの1時間だから
実質所要したのは正味7時間。
平均時速66マイル(106キロ)の快適なドライブだった。

プレリュードのあと、レクサス・スポーツ(ソアラ)、
ホンダ・アコードと乗り継いだが
スタートダッシュなど、例え性能は劣っていても
プレリュードとの相性は実によかった。
運転していると人馬一体感を肌で感じることができ、
殊に高速でのコーナリングは
レクサス以上にシャープなのである。
もう1度乗りたい・・・でも日本では乗らない。
刑務所に行きたくないもん。

旅の第一夜はナイアガラの滝近くのモーテルに泊まり、
順にトロント・オタワ・モントリオール・
ケベック・ボストンと周遊していった。
中でも一番好きな街はケベックで、ここには3泊した。
J.C.はイギリス調よりフランス風の街が好きなのだ。
もちろん食べものがおいしいことも大きな要因。
大きな街でもないのにスーパーでは
毛皮をはがれたうさぎが売られたりもしている。
トロント辺りではとてもこうはいくまい。

さて、くだんのI野口さんだが
現在、彼女はカナダワイン関係の仕事に従事されていて
当夜も白ワインを何本か持ち込んでくれたのだった。
カナダワインというと、どうしてもアイスワインが
脳裏をかすめることになるが
試飲させてもらったのはデザートワインではなく
よりドライなテーブルワインである。

ブリティッシュ・コロンビア州ケロウナの
セント・ヒューバータス・エステート・ワイナリーによる
ゲヴュルツトラミネール、ピノ・ブラン、リースリングは
それぞれのセパージュの個性を
そのまま素直に押し出すケレンのないタイプ。
シャルドネのようなキレ味には欠けるものの、
代わりにまろやかなコク味をそよ風に乗せて運んでくれる。

ゲヴュルツトラミネール種からできる白ワインは
ドイツ、オーストリアの高級デザートワイン、
いわゆるアウスレーゼを連想させるが
カナダ産はこの品種世界最大の生産地である
アルザスのそれに似て食中にいけるタイプ。
ピッツァやパスタとの相性がよくとも
それじゃワインが可哀想で
生産者のおすすめはタイ・ベトナム料理のようだ。

J.C.はドイツ、チェコ辺りでポピュラーな
鯉料理なんかにもよいと思う。
日本ならさしずめ、うなぎ・どぜうだ。
そのつながりから鰈の煮付け、鯖の味噌煮にもよかろう。
そして焼き鳥にはピッタリだろう。
事実、試飲の舞台も焼き鳥屋だったし――。
ネットのわいん@カナダを通して簡単に手に入るので
興味のある方には一飲をおすすめしたい。
そこで気になるお値段だが(TV通販みたいですけど)
おおむね1本当たり2800円というところです。

 
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2009年12月8日(火)

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