「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第896回
W杯南ア大会 地獄に墜ちた勇者ども

先週土曜日(5日)の未明に
W杯南ア大会の予選組合せが発表された。
周知の通りに日本の入ったE組に同舟するのは
オランダ・デンマーク・カメルーンといずれも強豪。
日本が予選を通過する可能性は10%といったところか。
セリーグのピッチャーがヒットを打つ確率よりは
多少マシという程度だ。
ただ、FIFAランキングにおける
カメルーンの11位はあまりに過大評価だし、
オランダの3位もやり過ぎだ。
逆にデンマークは13〜4位でもおかしくないかもしれない。

しかしながら人はこのE組を死の組とは呼ばない。
日本にとっては地獄の組でも
オランダには左団扇(ひだりうちわ)の組合せだし、
カメルーンとデンマークの2チームにしたって
お互いのライバルを倒せば、OKと判断しているハズだ。
要するに日本など最初から眼中にないのである。

日本もずいぶんとナメられたものだが
墜ちた地獄から這い上がる秘策はないのだろうか。
残念ながら秘策なんてあるわけがない。
といって座して死を待つのはスポーツマンシップに反する。
ベストは尽くさねばならないし、
もとよりサムライブルーの面々もそのつもりだ。

とにもかくにも初戦のカメルーン戦がすべてだろう。
勝てば天国、負ければ地獄のまさに運命の分かれ道、
皇国の興廃、この一戦にありで、負けたら一巻の終わり。
引き分けでもあとを考えるとかなり苦しい。
勝たなければならぬ試合に勝つのは大きな困難を伴う。
もしもカメルーンと分けた場合、
デンマークに勝っても予選通過の確証はないが
デンマークは今年、一足早いピークを迎えてしまった
きらいがないでもなく、勝てない相手ではないだろう。

1978年のアルゼンチン以来、32年ぶりの冬の大会。
それがカメルーン戦に限って日本有利に働くかもしれない。
といっても相手の有力選手のほとんどは
冬の欧州でプレイしているのであんまり関係ないか。

残り半年では今からああだこうだと
難しい戦術を編み出す時間などもうない。
したがってすでにある程度身についているものに
磨きをかけることが、か細いながらも勝利への道だ。
ここに4つの道標(みちしるべ)を記してみたい。

「相手ゴール前を横切る高速パスこそ伝家の宝刀」
 一連の動きから生まれる日本のゴールはこれしかない。
 オウンゴールを誘う意味合いも大きい。
 多士済々のFK以外では唯一の得点源となろう。

「不得手な空中戦を避けまくる」
 カメルーン戦に限らず、日本の最大の弱点がここ。
 相手に与えるFKもさることながらCKは命取り。
 限りなくPKに近い準PKと位置づけ、
 安易に自陣ゴールラインに逃げてはならない。

「可能な限り最終ラインを押し上げる」
 ロングボールで裏を取られると
 からっきし弱いDF陣の欠点を補うため、
 首の皮1枚を残す決意を持って勇断すべし。
 よしんば破られても自ゴールまでの距離が長ければ、
 何とかしのぐチャンスも出てこよう。

「後半残り15分のエキスパートを育てよう」
 常に指摘される終了間際のクリティカル・15ミニッツ。
 過去の苦い経験から全員で守ろうとするのは愚の骨頂。
 みんなが心身ともに引いてしまうと必ずヤラレる。
 残り15分を強い精神力と体力で耐え、走り、
 戦い抜ける選手を揃えたい。
 そしてこの時間帯に強烈なリーダーシップを
 発揮できる選手を育成して固定することが肝要。
 それも途中交替でイキのいいプレイヤーから選びたい。
 岡田監督の最大の腕の見せ所がここだ。

また来年の5月になったら
優勝国の予想でもするとしましょうか。

 
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2009年12月9日(水)

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