第903回
元祖満洲焼きを味わう(その2)
ハマの下町・野毛に来ている。
元祖満洲焼きでその名を知られる「庄兵衛」のカウンターで
ビールを飲みながら牡蠣の串焼きとぬか漬をつまんだ。
一息ついたところで念願の満洲焼きである。
このために京浜東北線に乗ってやって来た。
満洲焼きは味噌ダレに漬け込んだ豚のカシラを
串焼きにした焼きとんの一種。
本場でも食べられているのかどうか定かではない。
何かの本で彼の地にも存在すると読んだ記憶はある。
ただし、豚肉ではなくて羊肉だったような・・・。
焼きとん屋でのカシラは塩で焼いてもらうのが常。
ところがカシラと味噌の相性のよさには
目からウロコが落ちた思いがした。
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照りと焦げのバランスが絶妙
photo by J.C.Okazawa
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これは偉大な発明ではなかろうか。
せっかくはるばるやって来たのに
その発明品を1人1本ではもったいないが
さりとてほかのものをいろいろ食べたい。
それに旨いからといって
何本もお替わりすると有り難味が薄れる。
ここは気を取り直して新鮮なレバーだ。
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こちらは照りだけで焦げがない
photo by J.C.Okazawa
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ほう、味噌に漬けてないぶん、焦げにくいのだね。
一噛みしてクックゥ〜ッ、こいつも旨いや。
味噌・タレときたので、ここいらで塩焼き。
銀杏とねぎまをお願い。
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色彩のコントラストの妙
photo by J.C.Okazawa
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ねぎまには胸肉が使われていて火入れは浅め。
胸肉は焼き過ぎるとパサつくからだ。
あとはタン・つくね・しいたけをこれまた塩でやり、
ここで切り上げてのお勘定。
満足、満足である。
2軒目は野毛本通りを横断して宮川町の中華「萬福」。
立て替えられた銀座の「萬福」とは
似ても似つかぬ古い建物が郷愁をそそる。
ここでは600ml入りの紹興酒をボトルで注文。
品書きの中に中華風つまみというのを見つけた。
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赤い縁取りのメンマがオススメみたい
photo by J.C.Okazawa
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豚カツより高いから何品かの盛合わせと想像。
ところが運ばれたのは予想を裏切る皿だった。
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いわゆるネギチャーシューが登場
photo by J.C.Okazawa
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少々鼻白んだものの、これがなかなかにイケた。
なので、心優しいJ.C.はすぐに許してしまう。
するとTVでは松本クンが技ありのタイムリーだ。
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柱のデカい寒暖計が笑える
photo by J.C.Okazawa
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お次の麻婆豆腐はマイルドな仕上がり。
マーだのラーだの、やたらに刺激の強いのはイヤだ。
ネギチャーシューに負けず劣らず、紹興酒にピッタリ。
締めにはオーソドックスな柳麺をいただき、
「うん、ここなら中華街の上を行くぞ」――
深く得心した次第であった。
【本日の店舗紹介】その1
「庄兵衛」
神奈川県横浜市中区野毛町1-9
045-231-7117
【本日の店舗紹介】その2
「萬福」
神奈川県横浜市中区宮川町2-20
045-241-7845
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