「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第926回
午後2時半の大行列

ある平日の午後。
時間をやり繰りした“遊び人”が3人、
京成立石の改札口に集結した。
城西・城南地区の住人には縁のない葛飾区にあって
世にもっとも知られているのは
寅さんの聖地・柴又の帝釈天(題経寺)。
あちらを“陽”の観光スポットとすると、
“陰”のディープスポットが立石の飲み屋街となる。
この町は大衆酒場のるつぼなのだ。

その日のメンバーは当コラムの読者のお2人。
墨田区の住人・Rカ嬢と
はるか遠く国領から遠征してきたH川さんだ。
どちらも名だたる呑ん兵衛である。
まっ、大きな声で言えませんがネ。

駅から急ぎ足で訪れたのは
町の一番人気、焼きとんの「宇ち多゛」。
友人の坂崎重盛翁なんぞ、来るたびに長蛇の列にブチ当たり、
毎度ブチ切れて、ヨソに回っているくらい。
案の定、その日もすでに十数人が順番待ちであった。
まだ開店して30分後の2時半でっせ!
一体全体、みんなどこから集まって来るんだろう。

それでも待つこと20分ほどで
何とか3人一緒のテーブルに案内された。
店内で紅一点のRカ嬢は、怖ろしいことにこの店の常連。
スタッフはみんな顔見知りで注文も手慣れたものだ。
まずはキリンラガーをトクトクトクとコップに満たして乾杯。
同時にいろんな部位の牛もつが入る煮込みも頼んでおく。

「レバ塩若焼きに、アブラは塩と酢で」――Rカ嬢の声が飛ぶ。
大したもんだヨ、カエルのしょんべん。
ビールからハチブドー酒に移行しながら
彼女の注文ぶりに感心していた。
「今日はキンツルありますの?」
見上げたもんだヨ、屋根屋のふんどし。
すかさずH川さんが訊ねる。
「キンツル? それってなあ〜に?」
ここでRカ嬢、頬を赤らめもせず、
「食べれば判るかも・・・」
実はこれ、男性のシンボルのことなんです。
ブドー酒のあとに梅割り焼酎もいただき、素早くお勘定。

2軒目は向かいの「二毛作」である。
立石きってのおでんの名店がここ。
ここではスーパードライの缶をやった。
突き出しに新鮮な生鯖が登場。
子持ちししゃもに牡蠣おでん、そして再び牛もつ煮込みだ。
この寒いのに缶ビールを3缶も空けてしまった。
ここ数年というもの、若い頃に戻ったかのように
ビールをガンガン飲むようになった。
飲み仲間であるIアの欽チャンや
K木夫妻がビール党だから、その影響も多分にあるかな。

3軒目は線路を渡って西口の人気店「江戸っ子」、
ではなく、その真ん前にある「秀」だ。
くだんの坂崎翁は「江戸っ子」が満席でフラレちゃうと、
この「秀」に落ち着くんだそうだ。
この店では生ホッピーにコーンバターと豚ナンコツ煮。
と、ここまで来てJ.C.はタイムリミットを迎えた。
当夜はこれからはるばる駒沢大学まで出向き、
鮭のチャンチャン焼きパーティーに流れ込む予定。
入れ代わりに都心からはもう1人の呑み助、
F田クンがほどなくやって来る段取りになっている。
後ろ髪を引かれつつ、日暮れた立石をあとにするJ.C.でした。


【本日の店舗紹介】その1
「宇ち多゛」
 東京都葛飾区立石1-18-8
 03-3967-5738

【本日の店舗紹介】その2
「二毛作」
 東京都葛飾区立石1-19-2
 03-3696-6788

【本日の店舗紹介】その3
「秀」
 東京都葛飾区立石7-2-11
 03-5670-8739

 
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2010年1月21日(木)

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