「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第938回
てんやわんやの相撲界

先週、水曜日。
NHK総合TVの「SONGS」の主役は
“フォークの神様”岡林信康。
山下洋輔のアレンジによるジャズバージョンで
デビュー曲の「山谷ブルース」や
35年前に美空ひばりが書いた詞が陽の目を見た
「麦畑のひばり」(補作詞:岡林信康)を感慨深く聴いた。
ほとんどの場合、出演者をよく知らないので
たまにしか見ない番組だがハマるときはハマる。
とても充実した30分間であった。

この日は夕方から家におり、
NHKを主体に見るともなしにTVを見ていた。
例によって報道番組は同じニュースの繰り返し、
殊に相撲関連がきわめて多かった。
もちろん主役は貴乃花・安治川両親方、
横綱・朝青龍の3人で、てんやわんやの大騒動だ。

Qさん編集部のN雲サンとも
コラムで大相撲の話題を取り上げようと
相談したりもしていたが
貴乃花親方の役職が決まり、安治川親方の退職は撤回され、
朝青龍も引退(実質解雇の引退勧告)を表明、
あれよあれよという間にすべてが決着してしまった。
何だか取り上げるトピックスがなくなった感じ。

ただ、貴乃花の理事選立候補にからんで
メディアにたびたび登場した二所一門の
二所ノ関(元関脇・金剛)・放駒(元大関・魁傑)の
両親方には苦言を呈しておきたい。
ともに安泰な理事の座にあって発言力は大きいが
肝心の所属力士に長いこと関取ゼロの状態が続いている。
放駒部屋は幕下力士が6人、
二所ノ関にいたっては最高位が三段目という体たらくだ。
理事会の重鎮として権勢を振るうだけでなく、
やることをきっちりやっていただきたい。

あとは稀代の外国人横綱・朝青龍の足跡を振り返るとともに
彼の未来も占ってみるとしましょうか。
白鵬が開花するまでの間、ライバル不在とはいえ、
年6場所完全制覇と7場所連続優勝は
まさに偉業でスゴいの一言。
ヒール役の先輩格(?)、前理事長の北の湖以上の活躍だ。

母国帰省中の仮病サッカー、左手による懸賞金わしづかみ、
旭鷲山の愛車のドアミラー破壊と、
まず話題に事欠かないお騒がせ魔だったが
横綱としては親方にケツをまくって廃業した、
仮免横綱・双羽黒なんかよりよっぽど真っ当である。
むしろ勝負のついたあとのダメ押しのほうが気になった。
それと屈折した愛憎入り混じる(?)、
内館牧子さんとのビミョーな関係も興味深いものがあった。

いずれにしろ、あんな風に育てて何も言えなかった
高砂親方(元大関・朝潮)の罪と責任が一番重大だ。
まったくリスペクトされないのだから救いようがない。
どんな悪ガキにも尊敬する先達はいるもので
朝青龍ならさしずめ、元横綱・大鵬と貴乃花。
それに現役の魁皇といった面々だろう。
ことに大鵬は特別で、渡哲也にとっての石原裕次郎、
和田アキ子の美空ひばり、イチローの仰木元監督、
はたまた田中真紀子の小沢一郎にも匹敵しうる、
陰口一つたたけない存在なのだ。
ああ、あの大鵬が“猛犬・アサ公”の師匠だったなら・・・。

今後、予想される“猛犬”の行く道は2本ある。
1本はモンゴルに帰国して政界に打って出、
ゆくゆくは大統領を目指す道。
ただし彼の地では45歳にならないと
大統領選に立候補できないから最速でも16年は掛かる。
でも、あんな性格の持ち主が大統領になったら大変だ。
無謀にもロシアに突っかかり、暗殺されちゃったりして。

もう1本は格闘界に進む道。
J.C.は数年前から格闘技ならば、
朝青龍が史上最強と信じて疑わなかった。
もはや相撲じゃ白鵬にかなわないが
今でもあっちの世界には
世界一への道が開かれているものと確信している。

 
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2010年2月8日(月)

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