「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第948回
昭和風中華 イン 横浜  

前回は横浜・野毛地区のノスタルジックな洋食店、
「センターグリル」の米国風洋食を紹介した。
今日はすぐそばの野毛本通りにある「會星楼」を訪れる。
あちらが米国風洋食ならば、こちらは昭和風中華である。
店が自称しているワケではないが
店内の雰囲気はまさしく昭和そのものだ。

この店に目星をつけたのは偶然の賜物だった。
あれは去年の10月のこと。
野毛動物園へと続く坂道の中腹にある「KIKUYA」で
カレーを食べたあと、野毛の町を独り何時間もさまよった。
隠れた名店を探すためにくまなく徘徊したのだ。
裏路地を歩いているときに、とあるスナックから
中華屋の店員が岡持ちを下げて出てきたのである。
彼を見た瞬間、頭の中で稲妻がピカッと光った。
スナックのママが開店前の腹ごしらえに頼んだ出前でっせ、
地元の事情を知るママのお眼鏡にかなったくらいだから
この中華屋は“絶対旨い”に決まっている。

気がつけば、反射的に出前持ちを尾行していた。
「へへへ、こいつは面白くなってきやがった!」
生まれて初めてストーカーになった気分だ。
路地から野毛本通りに出ても標的はズンズン歩いてゆく。
途中、何軒も中華料理屋があるのに
ヤッコさん、脇目も振らずにまだまだ行く。
こうして発見したのが「會星楼」というワケだ。
数日前の台風のせいかしら、
看板が外れて店名が確認できなかったが、場所はしかと覚えた。

当夜は他店で夕食の予定があり、後日あらためて出直す。
心弾ませてドアを開けると、
店内は灰色のジャンパーを着込んだオジさんばかり。
何じゃ、この光景は?
みな揃って食い入るように見つめるTVは
案の定、競馬中継であった。
さもありなん、馬券売り場のウインズは目と鼻の先だ。

牛腩麺(ガウナンメン)と迷った挙句に
選んだのは五目焼きそば。

ヒャ~、旨そうだ!
photo by J.C.Okazawa

錦糸玉子のトッピングに手造り感が込められている。
小海老・いか・叉焼・豚肉にキクラゲと野菜たち、
典型的な五目焼きそばである。
細打ちのストレート麺が舌になめらかだ。
ただ、あんかけに独特の甘みがあってこれが少々ジャマ。
ともあれ、美味しく食べ終えた。
次回は牛モツ使用の牛腩麺に挑むぞ!

と、ここまで書いたところで
男子フィギュアのフリー演技で高橋大輔の番が回ってきた。

結果、う~ん、残念無念。
しかし、もっと無念なのはプルシェンコかもしれない。
彼にしては信じられないような不出来ジャンプの連続。
手堅くいけば勝てると踏んで、かえって失敗しちゃった。
メリハリのない構成にも緊張感が欠けていた。

冒険せずに金メダルを獲ったライサチェクにも不満が残るが
やはり見ていて楽しいのは高橋とランビエール。
高橋にはワクワクさせられ、
ランビエールにはウットリさせられた。
殊にランビエールはSPのロッシーニ、
フリーのヴェルディと、オペラ好きにはたまりませんな。
恒久平和のもと、鳩時計しか作れなかったスイスが
氷上の貴公子を産み出すとはビックリである。
逆に金のライサチェクは黒い悪魔のように見えました。


【本日の店舗紹介】
「會星楼」
 神奈川県横浜市中区野毛町2-101
 045-231-3017

 
←前回記事へ

2010年2月22日(月)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ