第950回
カシミールで汗びっしょり(その1)
湯島天神下の交差点から
春日通りを上野広小路方向に歩いてほどなく、
昭和31年創業の「デリー上野本店」が今も健在だ。
レトルトカレーの販売を始めて久しいのに
店舗自体も変わらぬ人気を集めている。
カウンターにテーブルが数卓だけの狭い店で
昼めしどきは相当に立て混むのが難と言えば難だ。
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開店直後はこんな具合
photo by J.C.Okazawa
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インド・パキスタン料理店を自称するが
早い話が本格派カレーの専門店だから
ほかの料理はほとんどないに等しい。
メニューをのぞいてみよう。
デリーカレー |
★ |
800円 |
インドカレー |
★★★ |
800円 |
カシミールカレー |
★★★★★ |
900円 |
コルマカレー |
★★ |
900円 |
ベンガルカレー |
★ |
900円 |
コンチネンタルカレー |
マイルド |
800円 |
ドライカレー |
マイルド |
900円 |
ストロングドライカレー |
★ |
1000円 |
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バターチキン |
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1000円 |
タンドーリチキン・ティカ |
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800円 |
ラサム(南インド風スープ) |
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500円 |
ザッとこんな具合だ。
★の数は味の評価ではなく、辛さの度合い、
数が多くなるほどに辛さは増してゆく。
カシミールカレーが断トツでホットということになる。
開店時間は11時50分と変則的。
こういう時間設定をするオーナーは概して変わり者が多い。
実際に確かめたワケではないけれど、経験からそう思う。
カレー好きのS山サンを伴って
ちょいと早めの11時45分に訪れると、
すでに5〜6人の先客が列を成していた。
高田馬場の「夢民」ほどではないにせよ、
やはり根強い人気を誇っている。
見開きのメニューとにらめっこして
最初に選んだのがストロングドライカレー。
そしてレギュラーメニュー外、
月曜限定のカシミールカレー・プレミアムをチョイス。
2人で2皿を分け合う腹積もりである。
待つこと10分で2皿がほぼ同時に運ばれた。
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鶏もも肉いっぱいのカシミール・プレミアム
photo by J.C.Okazawa
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使用食材はさつま赤鶏とインカのめざめである。
兵庫生まれ、鹿児島育ちの純国産種銘柄鶏と
アンデス生まれ、北海道育ちの黄色いじゃが芋の組合せだ。
この素材がプレミアムと呼ばれる所以であろう。
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小海老が散見されるストロングドライ
photo by J.C.Okazawa
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ピラフタイプのドライカレーは意外なことに
シュリンプ入りで挽き肉などは使われていない。
J.C.はカシミール、S山サンはドライカレーで、いざスタート。
=つづく=
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