「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第953回
泣くな真央よ、キミはすばらしい!

浅田真央の銀メダルを素直に喜びたい。
だが、その銀メダルを素直に喜べない彼女に心が痛む。
そして不憫に思う。

初めてのオリンピックで銀メダルはすばらしい成果。
それなのに悔し涙にくれるのは
国民の期待を一身に背負ってきた自覚があるからだ。
となると、われわれ日本人はこの4年間、
あのか細い身体に大きな重圧をかけてきたわけだ。
いたいけな少女をそんな境遇に
追い込んでしまった罪は限りなく深いぞ。
われわれが今、罪ほろぼしとしてできるのは
彼女の帰国、いや、凱旋を温かく迎えることだけだろう。

柔道選手には酷かもしれないが
銀メダルを獲りながら“なお、喜べず”は
彼らの専売特許にしておいてほしいネ。
一手にまかなってもらいたい。
でもなァ、五輪ともなれば柔道でさえ
やすやすとメダルを獲れないのが悲しい現実。

毎年のようにコロコロ変わるフィギュアのルールは
煩わしいながらも全選手に同条件だからとやかく言えない。
浅田真央が一番苦しんだのは身長の伸びだったろう。
育ち盛りの成長過程では折々で
長いスランプに見舞われることもあったろう。
それを克服しての“銀”は賞賛に値する。

ただ、プルシェンコが指摘する通りに
現行の採点法では男子の4回転が過小に評価されている。
女子のトリプルアクセルにも同じことが言え、
TVの実況中継でアナウンサーや解説者が
まるでトリプルアクセルが女子フィギュアの歴史を
塗り替えたかのように騒いでいるが
跳んでも加点に寄与しないのであれば、
その声は空しく響くだけ。
リスクを犯さないライサチェクとキム・ヨナが
ともに金メダルを射止めたことは象徴的ですらある。
というか、彼らの戦術が理にかなっているわけだ。

とは言え、ライサチェクはともかく、
キム・ヨナは非の打ち所がまったくなかった。
敵ながら(敵と呼ぶのもおかしいけど)あっぱれである。
それにしても韓国には女子フィギュアでやられ、
男子スピードスケート500mでやられ、
オマケにバカ田ジャパン、もとい、岡田ジャパンもやられ、
観ているほうはたまったもんじゃありませんな。
おっと、こういう想いが重圧になるんだったね、真央ちゃん。

ともあれ、浅田・安藤・鈴木の入賞トリオには大きな拍手。
そうそう、見映えのする浅田・安藤の陰に隠れながら
鈴木明子の健闘も称えられるべきものだった。
こう言ったら失礼だがTVならスケートリンクより
「素人のど自慢」で「花笠音頭」を唄ってるほうが
似合いそうな庶民的雰囲気の持ち主が鈴木。
彼女の魅力は、下は幼稚園から上は養老院まで
あまねく万人を明るくさせてくれること。
ご両親もそんな娘に育つよう、“明子”と名付けたのでしょう。
おかげで彼女が生まれるずっと前の流行り歌を思い出した。
 
♪ あしたという字は 明るい日と 書くのね〜
   あなたとわたしの あしたは 明るい日ね〜 ♪

そうだよ、真央!
キミのあしたも、明るいんだよ〜!

 
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2010年3月1日(月)

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