「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第984回
メルセデスに乗って「グラン・トリノ」

友人の金ピカ先生と久しぶりに会食。
飲酒を自制している彼との食事はいつもランチと決めている。
待合わせ場所の三井タワーに赴くと、
すでに先生はロビーに先着しており、
周りのビジネスマンや有閑マダムの注目を集めていた。
いやはやイメージ通りとはいうものの、
本当に金ピカなのだから、さもありなん。

そのスジも顔負けの雄姿
photo by J.C.Okazawa

日本橋本町の「ダンドロ ダンドロ」へ。
ヴェネツィア料理の店ながらランチタイムは
その個性をそれほど打ち出していない。
が、週替わりのリゾットにその片鱗がうかがえる。

前菜は干し鱈のポテトサラダ・いわしのサオール・
グリーンサラダの盛合わせ。
メインはスパゲッティーニとペンネを選び、
ハーフ&ハーフで盛合わせてもらった。
スパゲッティーニは鶏肉ラグーと茄子のアラビアータ、
ペンネはツナのトマトクリームソースである。

この日はJ.C.のスケジュールが押しており、
食後のアイスコーヒーを飲んだらあわただしく席を立つ。
飯田橋で映画を観る予定なのだ。
親切な金ピカが送ってくれるというので
彼がクルマを駐めた日本橋三越本店へと歩く。
着いてみると、車寄せから駐車場にかけて
オジさんスタッフの数が半端ではない。
大変な人件費だが、こうでもしなければ、
重要顧客の富裕層は来てくれぬものらしい。

金ピカ先生がハンドルを握るのは
メルセデス・ベンツの88年式560SL。
聞いたところによると、
W107系と呼ばれる車種のSLだという。
実はこの日観るのは
クリント・イーストウッドの「グラン・トリノ」。
タイトルのグラン・トリノは1972〜78年に
製造されたフォード・トリノのことである。
メルセデスに乗って「グラン・トリノ」。
われながら優雅なことである。

映画は評判ほどには感心しなかったが
佳作といえないこともなく、退屈はしなかった。
だが、やはり名作として名高い
「ミリオンダラー・ベイビー」と同じ後味の悪さが残る。
イーストウッドの映画はときとして観客にストレスを与える。
芸術性よりも娯楽性を映画に求めるJ.C.は
晴れやかな気分で映画館をあとにしたいのだ。
その点、併映の「レスラー」はよかった。
様変わりしたミッキー・ロークを見直すことにもなった。

終映後、神楽小路を抜ける道すがら
カレー店「キッチンめとろ」の前を通り掛かった。
匂いに誘われたものか、
夜にはまず口にしないカレーライスが食べたくなった。
躊躇はしたものの、結局は誘惑に負けて入店。
この店での定番、焼肉カレーを所望する。

1皿で2度口福をもたらす焼肉カレー
photo by J.C.Okazawa

「めとろ」はカレーもさることながら、焼肉がその上をゆく。
柔らかな豚ロース(豚バラもあり)と特製醤油ダレが決め手だ。
2本立ての映画のあとは、2種盛りの皿で締めるのが
花街・神楽坂での鯔背(いなせ)な所業というものだろう。
と、勝手に理由づけしたことでした。


【本日の店舗紹介】その1
「ダンドロ ダンドロ」
 東京都中央区日本橋本町4-3-14
 ふじみビルディング 1F&B1
 03-5942-4790

【本日の店舗紹介】その2
「キッチンめとろ」
 東京都新宿区神楽坂2-10
 03-3260-4952

 
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2010年4月13日(火)

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