「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第995回
つぶれ梅の大人漬 
=男の手抜き料理シリーズ第14回=

ずいぶんご無沙汰していた男の手抜き料理シリーズだが
たまにやり出すと続けるクセがあるようだ。
昨日に引き続き、再びご披露する。

昨日のきんぴらについて思い出したことがある。
主役のごぼうは関東と関西で、かなり異なるそうだ。
耕土の深い関東では長ごぼう主体なのに対し、
耕土の浅い関西は短い種類や葉ごぼうが栽培されている。
言われてみれば、長ねぎがそうだ。
深谷ねぎは白い部分(土に埋まっていた部分)が長いが
九条ねぎは白と青が逆転しているものネ。

さて、本日。
今日もまた、ごぼうに続いて根菜を取り上げる。
名付けて、つぶれ梅の大人漬。
つぶれ梅というのはつぶれた梅干しのこと。
カタチの整ったものよりずっと安いのが魅力だ。

「そんなの売ってないヨ」という向きは
良型でも構わぬが、どうせつぶすのだからもったいないし、
ハナからつぶれていれば多少は手間が省けるというものだ。
ときどきスーパーで売り出すから注意を払っていてほしい。
わが家で使っているのは
和歌山県田辺市「梅の基」の製品で塩分8%の300g入り。
値段は忘れたけれど、500円くらいではなかったか。

大人漬というのは大人のための漬物ではないから
お子さんにもドンドン食べさせていただきたい。
“大人”は大根の“大”と人参の“人”の混成語。
使用するのは本来なら破棄される皮のみだ。
したがって、この漬物はふろふき大根や大根おろし、
あるいはカレーライスやシチューをこしらえる際の、
副産物と心していただきたい。

それでは、アラ・キュイジーヌ!

(1)用意するのは
   つぶれ梅・赤じそ塩漬・大根の皮・人参の皮、それぞれ適宜。

(2)この漬物は皮のむき方に特徴がある。
   大根はおろし用に高さ5センチほどの輪切りにしたら
   まな板に切り口が上に向くよう安定させる。
   あとは上から皮にそって幅3センチほどに
   このとき普段の皮むきよりも厚めに切る。
   皮だけでなく身も付けるわけで厚さおよそ2〜3ミリ。
   人参も同じ要領である。

(3)大根皮はみずみずしいほうを上にして皮を下にし、
   新聞紙に拡げて半日ほど乾燥させる。
   人参皮も同じく皮側を下にして30分ほど、
   あるいは乾燥させなくてもよいくらい。
   人参は大根に比べ、ずっと水分が少ない。

(4)つぶれ梅をさらにつぶし、赤じそを加えて練り込む。
   そこに皮を投入してよく混ぜ合わせ、
   容器に入れて冷蔵庫に保管。
   1日経過したら美味しく食べられる。
   梅干し・赤じその量はお好みで。
   青じそを刻みこんだり、日本酒や食酢を垂らすのも一法。

今まで捨てていたものがすばらしい即席漬に生まれ変わる。
塩や醤油や化学調味料を添加することもなく、
安全でビタミンたっぷりでしかも廉価なこと、この上なし。
野菜が不足がちのやもめ暮らしには超打ってつけだ。
これに慣れると市販の漬物の化調味を
受け付けなくなること請け合い。
漬物メーカーさん、ごめんね、ごめんね〜!

 
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2010年4月28日(水)

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